「ヲタクに恋は難しい」　★★～ミュージカルも笑いもノれてない

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

ミュージカルも笑いもノれてない★★

（2020年／日本／114分） 【　脚本・監督　】福田雄一【　原作　】ふじた【　出演　】

高畑充希
山﨑賢人
菜々緒
賀来賢人
今田美桜
若月佑美
ムロツヨシ
佐藤二朗
斎藤工

【あらすじ】

　アニメヲタクを隠し続けていたがヲタバレしてしまい転職を余儀なくされたOLの桃瀬成海は、転職先の会社で幼馴染、ゲームヲタクの二藤宏嵩と再会する。

　幼馴染との再会に心躍る成海、そこで宏嵩はヲタク同士で付き合うメリットを説き交際を提案、２人の交際がスタートする。

　しかし、ヲタを隠し続けたい成海と冷静沈着な宏嵩は、次第に心がすれ違っていく―

【コメント】

　さて、今回も行きつけのTSUTAYAで新作棚を物色していたところ、「これは観なきゃならん！」とソッコー手に取ったのが、今やノリにノっている福田雄一監督による本作。

　福田監督なので劇場公開時観に行こうかとも思っていたんですが、ラブコメものはちょっとなーと結果的にスルー。しかしながら、やっぱりそこは福田雄一監督、それなりに面白く仕上がっているだろうと鑑賞してみた次第です。

　あ～、こりゃダメだ。おそらくは福田雄一監督のチャレンジだったであろうミュージカルという分野ですが、ぶっちゃけミュージカルも得意の笑いも全く持ってノれてない。シナリオも雑だし、締まりも悪い。残念ながら福田監督のミュージカルは失敗作と言わざるを得ませんね。

　キャストはお馴染み福田組と呼ばれるキャスティング。山﨑賢人に賀来賢人にムロツヨシに佐藤二朗。最近取り込まれているであろう今田美桜や若月佑美もまたしかり。信頼されている福田雄一監督だからこそキャストたちが安心してはっちゃけられているのはさすがの人望だと思います。しかしながら、先にも言ったとおりシナリオが雑だし、そもそもミュージカルにする必要性があったのかと。ミュージカルは歌と踊りでもってキャラの心情を表現する、意外と難しい表現方法なんじゃないかなと思います。だけど、高畑充希演じる成海の心動く恋心がイマイチ伝わってこない。高畑充希は歌うまいしミュージカルもイケる女優さんですけどね。山﨑賢人演じる宏嵩も無表情すぎて全然伝わってこないし、このキャラ斉木楠雄とカブってねーか？と感じる部分が多々ありましたね。

　細かいところをツッコめばたくさんあるんですが、全体的に見ても福田監督は本作の原作に特段の思い入れが無いんじゃないかなーと。とりあえず頼まれたから福田節をちょっと抑えめにしてミュージカルテイストでやってみるか、といった雇われ感が伝わっちゃっていましたね。

　俳優と同様、映画監督にも旬というものがあり、今ノっている福田雄一監督もいつかは旬が過ぎ飽きられてしまう時期が来ると思います。個人的には好きな監督なので、まだまだ世界観を堪能したいところですが、本作しかり、今絶賛放映中のTVドラマ「親バカ青春白書」しかり、いまいちな作品が目立ってきてます。低迷のきっかけが本作でないことを祈るばかりです。

【2020年度 Myランキング】（8/22時点）

　本作は、本年度のワースト3中3位（暫定）にランクイン。

　頚椎症がクセになっちまったな・・・

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：1917 命をかけた伝令 ★★★★★

　　２位：ミッドサマー ★★★★

　　３位：透明人間 ★★★★

　　４位：Fukushima 50 ★★★★

　　５位：パラサイト半地下の家族 ★★★☆

　　６位：イップ・マン完結 ★★★☆

　　７位：AI崩壊 ★★★☆

　　８位：ジョジョ・ラビット ★★★☆