「ワンダーウーマン1984」　★★★～ロマンティックが止まらないヒーロー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

ロマンティックが止まらないヒーロー★★★

（2020年／アメリカ／151分／Wonder Woman 1984） 【　原案・脚本・監督　】パティ・ジェンキンス【　出演　】

ガル・ガドット
クリス・パイン
クリステン・ウィグ
ペドロ・パスカル
ロビン・ライト
コニー・ニールセン

【あらすじ】

　1984年のアメリカ。

　“ワンダーウーマン”として街の悪と戦い続けるダイアナ・プリンスは、その正体を隠しつつスミソニアン博物館で働いていた。

　ある日、新らしく雇われた鉱物学者バーバラ・ミネルヴァは、“なんでも一つだけ願いを叶える石”と呼ばれる石の研究するが、本当に願いが叶ってしまったことにより、日常が一変してしまう。

　一方、ダイアナも願いにより、かつて戦争で亡くした愛するスティーブ・トレバーが生き返り、幸せな日々を過ごすことになるが、事業家のマックス・ロードはその石を盗み出し、世界を混乱に陥れる―

【コメント】

　さあ、いよいよ2020年映画鑑賞もラスト1本！この新型コロナの影響で大作が相次いで公開延期となってしまった2020年でしたが、それでも2020年を締めくくるに相応しいと思ったのが本作です。

　マーベルに対抗しDCエクステンデッド・ユニバースから登場した女ヒーローもので、2017年公開『ワンダーウーマン』の続編に位置づく作品です。このコロナ禍で映画業界も興収が芳しくない中、あえてこの時期に劇場公開したことは映画ファンとしては嬉しい限り。2020年の最後を飾るため1週遅れて「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

　いや～これは・・・新たな視点のヒーロー像を垣間見た感じですね。いろいろと異色なヒーローもの。なんだろう、とても乙女チックな展開というか、ワンダーウーマンがロマンティック全開、他のヒーローものにはないロマンティックが止まらないヒーロー作品だったと思います。これを良しとするかどうかはかなり賛否分かれると思いますが、僕個人としては時間を気にすることなく楽しめたので、これはこれでアリなのかなと思います。

　まあそもそも、本作の原案・脚本・監督が女性ということもあったのでこんな感じになったのかもしれません。願いを叶える石という使い古されたファンタジックな設定、みるみるうちにセクシーになっていくバーバラ、愛する男が甦ってラブラブ全開なワンダーウーマン、そして欲望を満たそうとする男の暴走。とにかく本作が中心になるのは女性で、男は物欲と支配欲にまみれ世界を恐怖に陥れる存在なんです。まあそれでも最後はたった一人の息子を守るために改心することでめでたしめでたしとなるわけです。

　本作が異色なのは、これまで観てきたヒーローVSヴィランという構図ではなく、本作にはヴィランらしいヴィランが登場しない、これに尽きますね。バーバラの成れの果てがヴィランと言われればそのとおりですが、あまりそこのバトルがフィーチャーされることはなく、あくまで欲望に駆られたひとりの男の暴走を食い止めるためにワンダーウーマンが奔走するということに終始します。まあそれでも、ワンダーウーマンは大活躍しますし、何より相変わらずセクシーなので、これはこれでアリだったかなと。なんか聖闘士星矢みたいな黄金の鎧も登場したし、めっちゃ飛べるようになったし。