「レジェンド・オブ・ドラゴン鉄仮面と龍の秘宝」　★★☆～夢の競演がこれで良いのか

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2021』の掲載にあたって」

夢の競演がこれで良いのか★★☆

（2019年／ロシア・中国・アメリカ／120分／The Mystery of the Dragon Seal） 【　監督　】オレッグ・ステプチェンコ【　出演　】ジェイソン・フレミングヤオ・シントンジャッキー・チェンアーノルド・シュワルツェネッガーアンナ・チュリーナユーリー・コロコリニコフマーティン・クレバ

チャールズ・ダンス

ルトガー・ハウアー

【あらすじ】

　イギリスの地理学者ジョナサンは、ピョートル大帝からロシアより東の地図を作成するよう命じられる。地図を完成させた彼は、旅の途中で出会った中国人とともに中国へ渡る。

　一方、鉄仮面を被らされロンドン塔に囚われたピョートル大帝は、同じ牢屋に投獄されていた中国の老師と出会い、脱獄することに成功する。

　ビョートル大帝は、老師から娘に渡してほしいと印を託され娘のもとへと向かうが―

【コメント】

　さて、今回はシネマート新宿＆シネマート心斎橋が毎年開催している劇場発信型映画祭「のむらコレクション」（通称“のむコレ”）にて上映される映画を鑑賞。なんてったって我が永遠のヒーロージャッキー・チェン御大と、ハリウッドの大スター、アーノルド・シュワルツェネッガー御大がついに競演したという大作を上映するんですから、観ないわけにはいかないわけです。

　とはいえ、僕の世代にとっては世紀のスーパースターが夢の競演を果たした作品だというのに、都内の映画祭の中の一作品として公開されるという哀しい取扱いというのがなんとも。

　とにもかくにも小学生の時に観た『カンニングモンキー天中拳』以降、ジャッキーの作品は必ず劇場で観てきたジャッキー信者の僕としては観ないわけにはいかないだろうと、さっそく「シネマート新宿」に足を運んだ次第です。

　指すがジャッキー＆シュワちゃんの競演とあって、なかなかに観客が入っておりましたな。

　うん、まあ大方の予想どおり。本作の扱いを見てもなんとなーく完成度は察しがついていましたが、可もなく不可もなく、というか子供向け、ちょっと悪く言っちゃうと子供騙しの薄っぺらいファンタジー映画でしたかね。

　世界を股にかけたスケールのデカいストーリーにかなりのお金をかけたCG映像の数々。そこにジャッキー＆シュワちゃん夢の競演という目玉もくっついているから、本来ならば全国公開されてもおかしくないくらいの超大作スペクタクルアドベンチャー映画なんです。だけど残念ながら、本作は大して面白くないです、いやマジで。僕にとって本作はジャッキー＆シュワちゃんがガッツリ絡むシーンだけが見どころだと思います。

　しかしながら、序盤の30分くらいはジャッキーとシュワちゃんがガッツリ絡むので「おっ！」となるものの、以降は全く登場せず、ラストシーンでちょっとだけまた絡んで劇終ということで、思ったとおりですが大物二人はあくまで脇役なわけです。まあ予想どおりだったのでそこは何とも感じませんでしたが、本当に言いたいのはジャッキー＆シュワちゃんという大スター夢の競演が本作で本当に良かったのか？というところに尽きると思いますね。

　スタローン＆シュワちゃんW主演の『大脱出』や、オールスター総出演の「エクスペンダブルズ」シリーズのような「これだよこれ！これが観たかったんだよ！」みたいな夢の競演とは遥かにかけ離れた作品だっただけに、本作は非常にもったいないなー感じましたね。シュワちゃんヘンなヅラかぶってたしね。