「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。
これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

竹内涼真
横浜流星
高橋海人
上白石萌歌
児島一哉
ユースケ・サンタマリア
石丸幹二
江口洋介
戸田菜穂
奥田瑛二
杉本哲太
【あらすじ】
父親の経営する町工場が倒産し過酷な幼少時代を過ごした山崎瑛(あきら)と、大企業の御曹司に生まれながらも身内の揉め事にうんざりしている階堂彬(あきら)。2人は、日本有数のメガバンク“産業中央銀行”に同期入社する。
人を救うことを理想とする山崎に対し冷静沈着に仕事をこなす階堂。しかし山崎は、自分の信念を押し通したがゆえに左遷、一方、順調に出世する階堂も、親族同士の争いに巻き込まれていく―
【コメント】
夏休みも終わり、またクソ忙しい日常に戻って一週間。いろいろとめんどくさい書類の整理とか課題を残しつつ迎えた週末ですが、そんな中で今回は前々からちょいと気になっていた映画を鑑賞。サラリーマンならご存じ、池井戸潤先生の小説の映画化です。
そうは言いながらも相変わらず原作は読んだことがない僕ですが、これまでもTVドラマ「半沢直樹」などでサラリーマンの心を鷲掴みするほどの面白さを誇る作品、僕も池井戸潤原作と謳われるとこりゃ観なきゃと感じてしまう世代となっているので、本作も期待を胸に「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会
うむ、面白い!ある意味鉄板、面白くて当たり前です。だって池井戸潤が原作なんだもん。スカッとさせる怒涛のサラリーマンエンタテイメント、本作も十分に楽しませていただきました。とはいえ、前にも映画で観た『空飛ぶタイヤ』や『七つの会議』と同様、本作も連続ドラマのほうが見応えがあるように思いますね。2時間ちょいという上映時間の中で要所要所のエピソードが駆け足になっちゃっている感じが否めない。観ながら、あ~このエピソードで1話分、このエピソードでまた1話分だな~なんてTBSの日曜劇場を思いながら感じてました。原作未読なので定かではありませんが、他にもいろいろと削ったエピソードがあるんだろうな~と。とはいえ、見応えは十分あるので、事務系サラリーマンなら絶対に楽しめると思います。
本作でもよく出てくる“稟議”というやつですが、簡単に言うとぺーぺーの平社員じゃ勝手に決められない事柄、例えばウン百万円するサーバーやパソコン数十台を買ってほしい、とある作業を他の企業にやってほしいけどウン千万円かかるとか、そういったことについて、なぜ欲しいのか、いくらかかるのか、いつ頃買うのか、といった内容を書類にまとめ、課長・部長・専務・社長といった偉い方々に順に認めてもらう(書類に印鑑を押してもらう)ための行為で、サラリーマンにとってはとってもとっても重要な作業なんです。本作でも、江口洋介演じる不動が山崎の作った貸付稟議に対し「稟議に必要なのは確実性!」といって印鑑を押さないという場面があるわけですが、あれは決して大袈裟なことじゃなくて、僕はこういったやり取りを毎日のようにやっているんです。稟議というのはそれくらいシビアな書類作りなんです。
池井戸潤作品はこういったシビアな“事務処理”を描いた作品が多いので、それに従事しているサラリーマンから絶大な支持を得られているんだと思います。池井戸潤本人もバンカーとして働いていた経験があるので、こういった事務処理をエンタテイメントに見せるのがとても上手い。世の中に従事している人が多いだけに共感する人が多いんでしょうね。
(C)2022「アキラとあきら」製作委員会
本作で舞台になった産業中央銀行ですが、これはTVドラマ「半沢直樹」第2期にも登場したメガバンクで、時期は違うものの同じ場所が舞台。「半沢直樹」では産業中央銀行と東京第一銀行が合併するエピソードがありましたね。他にもTVドラマ「花咲舞が黙ってない」でも東京第一銀行が舞台となっていて、世界観を共有しているわけです。もうね、こうなったらMCUのように「池井戸ユニバース」を構築して長期シリーズで映画化してほしいと思う今日この頃。そしてアキラとあきら、花咲舞、そして半沢直樹といったキャラクターたちが一堂に会する“池井戸アベンジャーズ”なんか作ったらメチャクチャ面白くなるんじゃないかと思いましたね。
ちなみに本作を観た後、月曜日からの仕事にがぜんヤル気になったことは言うまでもありません。
【2022年度 Myランキング】(8/27時点)
本作は、本年度のベスト10中8位(暫定)にランクイン。
仕事復帰後も残業続き。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
4位:さがす ★★★★
6位:ザ・バットマン ★★★★
7位:ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス ★★★☆
8位:アキラとあきら ★★★☆
(ワースト)… ★★☆以下が基準
2位:牛首村 ★★
3位:真夜中乙女戦争 ★★
<その他ランク外一覧>
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