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「ザリガニの鳴くところ」 ★★★~伏線を隠し過ぎて消化不良

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

『シネマ報告書2022』の掲載にあたって

 
伏線を隠し過ぎて消化不良
★★★
 
(2022年/アメリカ/125分/Where the Crawdads Sing
 
【 監督 】
オリビア・ニューマン
 
【 原作 】
ディーリア・オーエンズ
 
【 出演 】

デイジー・エドガー=ジョーンズ

テイラー・ジョン・スミス

ハリス・ディキンソン

マイケル・ハイアット

スターリング・メイサー・Jr.

デビッド・ストラザーン

 


 

【あらすじ】

 

 ノースカロライナ州の湿地帯で、裕福な家庭の青年チェイスが変死体となって発見される。彼は高い火の見やぐらから何者かに突き落とされた他殺と見られたが、現場に足跡や指紋は見つからなかった。

 犯人として疑われたのは、湿地帯でひとり孤独に暮らしているカイアで、街の間では“湿地の女”と言われ忌み嫌われていたが、彼女は6歳の時に両親に捨てられて、学校へも通わずに湿地の自然から生きる術を学び、たったひとりで生き抜いてきた。

 カイアは容疑者として逮捕され、裁判にかかることになる。彼女を有罪に持ち込みたい検察に対し、カイアの無実を主張する弁護士は、カイアに何があったことを問う。

 カイアは、自分のこれまでの半生を語り始め、運命的な出会いをした青年テイトとチェイスについて語り始める―

 

 

【コメント】

 

 さて、今回劇場で鑑賞した作品は、アメリカでベストセラーとなったミステリーの映画化である本作。なぜかアンミカがCMしてましたが。

 いつもながら普段本を読まないので原作未読の状態での鑑賞と相成りましたが、いかにもなメロドラマ的なミステリーなので、ラブものはちょいと苦手な僕でしたが、アンミカもCMで言ってたとおり、いわゆる“どんでん返し”系ということなので、これはちょっと面白そうだぞと、一路「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

 

 

 うむ、なるほどなるほど。この手のメロドラマ系は苦手なジャンルですが、ミステリー要素が加わると話は別、なかなかに楽しめました。ラスト1分、本当にラスト1分で真実が覆るラブミステリー、面白かったです。もっとも、僕個人の感想なんですが、伏線が分かりづら過ぎたなーと。ラスト1分のどんでん返しは面白いんですが、じゃああれはどうなるの?これはどういう状況?という疑惑が出てきちゃって、要するにラストを予測されないよう本編中の伏線をひた隠しにし過ぎて逆に消化不良になってしまうという残念な結果に。まあ、作り手の糸としては「あとは観客のご想像にお任せします」といったものなんでしょうけどね、やっぱりスッキリはしませんでしたね。

 

 お話としては、冒頭で金持ちのボンボンが変死体で発見され、“湿地の女”として忌み嫌われる少女カイアが容疑者として逮捕されるところでミステリー好きとしては一気に引き込まれる。そこからカイアの生い立ちと関わってきたイケメンの青年2人との関係について語られていくわけですが、そこから延々と甘い甘い青春ラブストーリーと、彼女は俺のもんだといったドロドロな三角関係というテンプレ通りのラブ展開が続き、メロドラマ苦手な僕としては正直長ぇな~と退屈しちゃいましたかね。

 

 ラスト1分のどんでん返しの部分ですが、これも決して予測できないものではないです。(ネタバレなので文字を白くします。反転して見てね。)

 湿地の女として色眼鏡で見ず事実だけを見て判断してほしいという弁護士の訴えによって結果的に裁判で無罪となったカイア。青年チェイスが死亡した同日、カイアは出版社と打合せをするため遠い町に行っており、チェイスを殺すためには深夜にバスで遠い町を行き来しなくてはいけずかなり無茶な行動をとらないと実現しないため、検察側の理屈はかなり無理があるといったもの。

 無罪となったカイアはめでたく初恋のテイトと結ばれ、年老いてカイアが死ぬまで仲睦まじく暮らしましたとさ、というエンディングになるんですが、そこは絶対にこれで終わることはないだろうと誰もが思ったはず。となると、無罪になったカイアがやっぱり・・・という考えに至るのは自然なことで、ラスト1分、やっぱりその通りになった、というわけです。

 え、じゃああのほぼほぼ不可能に近いスケジュールで犯行を行ったの?とか、どうやって突き落としたの?貝のネックレスを回収したのはなぜ?とか、いろいろな疑問が浮かんでくるんです。そこが全く説明されないまま終わるので、なんかモヤモヤが残ったままなんです。

 僕は他の解説ブログなんかを漁ってなんとか真相の補完は出来たんですが、とはいえやっぱり伏線をあいまいにし過ぎているなーと思いましたね。

 

 

 なんか小説版はディテールが違っていて、本作よりもっと真相がよく分かるように出来ているみたいです。当たり前ですね。映画化にあたって作り手の都合でいろいろと改変した結果スッキリしない作品になってしまったと、こういうことになりますね。やはり原作ものは慎重に取り扱わなくてはいけないということですね。

 

 

【2022年度 Myランキング】(11/20時点)

 

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

 カッコイイスマホケースあったぜ!

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム ★★★★☆

  2位:トップガン マーヴェリック ★★★★☆

  3位:シン・ウルトラマン ★★★★☆

  4位:さがす ★★★★

  5位:キングダム2 遥かなる大地へ ★★★★

  6位:MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない ★★★★

  7位:ザ・バットマン ★★★★

  8位:ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー ★★★★

  9位:ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス ★★★☆

 10位:ブラック・フォン ★★★☆

  次点:アキラとあきら ★★★☆

     女神の継承 ★★★☆

     RRR ★★★☆

     

     

 (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:あなたの番です 劇場版 ★☆

  2位:牛首村 ★★

  3位:真夜中乙女戦争 ★★

 

<その他ランク外一覧>

クライ・マッチョブラックボックス 音声分析捜査ノイズバイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ大怪獣のあとしまつゴーストバスターズ アフターライフ嘘喰いコーダ あいのうたヤクザプリンセスHOMESTAY ホームステイナイル殺人事件アクセル・フォールウエスト・サイド・ストーリーレッド・ブレイクガンパウダー・ミルクシェイクKAPPEI カッペイ特捜部Q 知りすぎたマルコSING シング ネクストステージモービウスナイトメア・アリーTITANE チタンTUBE チューブ 死の脱出ホリック xxxHOLiCフォーエバー・パージ死刑にいたる病ハケンアニメ!スクリーム(未)極主夫道 ザ・シネマデモニック妖怪シェアハウス-白馬の王子様じゃないん怪-バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版ベイビー・ブローカーライダーズ・オブ・ジャスティス女子高生に殺されたいアンチャーテッドソー ラブ&サンダーキャメラを止めるな!レイジング・ファイア息子の面影ただ悪より救いたまえジュラシック・ワールド 新たなる支配者ムーンフォール(未)バイオレンスアクションブレット・トレインNOPE ノープ沈黙のパレードサマリタン(未)ヘルドッグス七人の秘書 THE MOVIEオッドタクシー イン・ザ・ウッズ劇場版 呪術廻戦0355マークスマンアンビュランス真・事故物件 本当に怖い住民たちすずめの戸締りシャドウ・イン・クラウドザ・メニュー炎の少女チャーリーザリガニの鳴くところ


 
 
 

『ザリガニの鳴くところ』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

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