ポテチ　（評価：★★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

上映時間1時間ちょいの潔さ

★★★
（★…1点　☆…0.5点，★5つで満点）

（2012年／日本／68分）

【　監督・脚本　】
中村義洋

【　原作　】
伊坂幸太郎
『フィッシュストーリー』（ポテチ収録）【新潮文庫】

【　出演　】
濱田岳
木村文乃
大森南朋
石田えり

【あらすじ】

　宮城県仙台市。
　空き巣を生業としている青年・今村とその恋人・若菜は、プロ野球選手の尾崎の部屋に忍び込むが、今村は部屋から何も盗もうとしない。全く面識はないが、同じ土地で同じ誕生日に生まれた尾崎のことを今村は心から慕っていた。
　それは、今村の出生の秘密にあったのだった―

【コメント】

　映画の上映時間ってけっこう気にしませんか？
　僕、結構気にします。劇場で観るにしてもレンタルして観るにしても、事前に上映時間をチェックしたりしてます。
　ワクワクする映画ならば、できる限り長く観ていたい、上映時間は長いほうがいいし、限られた時間でサックリと楽しみたいのならば、90分前後の短めな映画を観る。
　ただ、やっぱり長さの許容範囲はあって、個人的に160分を超える映画は正直観る前から気が滅入ります。
　もちろん“内容の濃さ＝上映時間”ではありませんけどね。たかだか90分の映画でも、つまらないと感じた映画はえらく長く感じますよね。

　そんなどうでもいいこだわりから話を展開すると、本作は68分というたった1時間ちょいという、なんとも潔い上映時間。
　内容もきっちりと構成されているし、主人公とプロ野球選手との間にある謎や、クライマックスの爽やかな感動というドラマもしっかり用意されていて、十分に「1本の映画を観た！」という見応えを感じます。
　濵田岳や大森南朋のキャラも良かったし、木村文乃ちゃんも可愛かったしね。
　タイトルである“ポテチ”の意味というのは、若菜が口にした「コンソメ食べたかったけどうすしお味もおいしいじゃん」的なセリフで、なぜ今村が号泣したのか？という部分を紐解けば、なるほど！となりますね。タイトルのセンスも洒落てます。

　そんなわけで、結局のところ映画は無駄を省きに省けばこのくらいの上映時間になるんじゃね？となんとなく感じてしまった今日この頃です。

　ちなみに、映画のワンシーン。
　↓の男（中村義洋監督）の背後で通り過ぎる女性は竹内結子です。