「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
男は“じじぃ”になってもカッコよくあるべき!!!
★★★★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(2010年/香港/96分/打擂台 Gallants)
【 製作総指揮 】
アンディ・ラウ
【 監督・脚本 】
デレク・クォック
クレメント・チェン
【 出演 】
ウォン・ヤウナム
ジア・シャオチェン
MCジン
リー・ハイタオ
ブルース・リャン
チェン・クアンタイ
テディ・ロビン
チャーリー・チャン
ロー・マン
シウ・ヤムヤム
【あらすじ】
不動産会社に勤めるダメ社員のチョンは、都市開発のためにとある村を買収して来いと命令されるが、その村を仕切っていたのは、かつてチョンがいじめていたマン。立場が逆転してしまったチョンは、マンにいいようにこき使われる羽目に。
マンたちが買収しようとしている寂れた茶館は、かつて武術家のローが営んでいた武術学校“羅新門”であり、そこには未だ二人の武術家ソンとセンがいた。二人は、30年間昏睡状態のローが目覚めるまで羅新門を守っていたのだった。
ところが、ひょんなことからローが目覚め、チョンはカンフーを特訓する羽目に。そして、武術大会に出場することになるが―
【コメント】
日本映画と言えば時代劇、ハリウッド映画と言えば西部劇、では香港映画と言えば?
そう、カンフー映画です!
1970年代の香港映画は、ジミー・ウォングやブルース・リーを筆頭に傑作・駄作・珍作が次々と登場し、日本でも昔は東映映画、例えば「トラック野郎」シリーズなんかの同時上映(おまけ)的な扱いで、様々なカンフー映画が上映されていたんですね。
とりわけ僕は、これよりちょい後に登場したジャッキー・チェンを筆頭としたコメディ系カンフー映画から入ったクチですが、それをきっかけに香港製カンフー映画の魅力に憑りつかれ、同級生がやれチェッカーズだ一世風靡だ松田聖子だ中森明菜だと騒いでいるのを横目に、僕はバカみたいにカンフー映画ばっかり観ていたのは良い思い出です。
そんな青春時代を過ごした僕なので、カンフー映画というジャンルについてはかなり思い入れがありまして、当時インターネットのイの字も存在しなかった時代に、ひたすら本屋で雑誌や本を買いあさって、飽くなき探究心を持ってカンフー映画をお勉強していましたね~いや懐かしい。
「ジャッキー・チェン大百科」や「カンフー映画ヒーロー大百科」という手のひらサイズの分厚い本や、MOVIEコミックスなる本もたくさん買い漁りましたよ、少ない小遣いで。実家帰ったらまだあるんじゃないかな~
それくらいの思い入れがあったからこそ、本作『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』は感激の一言しかないんです。
『帰って来たドラゴン』『無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を往く』、そして近作では『カンフーハッスル』のブルース・リャン!
そういえば『神拳/ヤング・ボディガード』でジャッキーとも共演してたな~。ジャッキーかなりいじめられたらしいけど。
『吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー』『嵐を呼ぶドラゴン』、近作では『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』のチェン・クアンタイ!
僕が子供の自分はチェン・カンタイとかチェン・クワンタイとか表記されてたな~
『五毒拳』『南少林寺VS北少林寺』のロー・マン!
そして、『怒れ!タイガー/必殺空手拳』『ドラゴンロード』、ジャッキーとの一騎打ちが思い出深い『プロジェクトA2』のチャーリー・チャン!
70年代のカンフー映画をリスペクトした作風や、クライマックスの感動のストーリーテリングもさることながら、このキャスティングは僕にとって涙がちょちょ切れるほど感激する人たちなのです!
皆60歳を超える老齢でありながら、カンフーがとにかくキレキレ!ブルース・リャンのシャープで切れ味鋭い蹴りや、チェン・クアンタイのパワフルな拳、少しも衰えていない!
ブルース・リャンがとにかくカッコいい!見た目がじじぃでもハゲ散らかしていてもとにかく凄い!アクションはもう引退とか言ってる場合じゃねーぞジャッキー!
そんなブルース・リャンがラストの闘いの後、泣きじゃくるんです。映画ですから、もちろん死んだ師匠に対する思いが込み上げてきた涙と解釈できるんですが、僕はちょっと深読みして泣けちゃいましたね。
「俺はまだまだイケる!若い奴なんかには負けねーぞ!
だけどよー・・・ついてこないんだよ、体が・・・
じじぃになってもまだ前に進みたいんだ!
だから頼むよ、ついてきてくれよ・・・俺の身体・・・」
僕は、ブルース・リャン自身がこう叫んでいるような気がしましたね~。カンフー映画ブームの終焉とともに、往年のカンフースターは不遇の時代を体験してきたわけですからね。
チャーリー・チャンの最後の言葉「大人になれば分かる」は、きっとこのことなんだろうな、と。とにかく登場するじじぃどもはほんとカッコ良かった。
その他、本作には名言がいろいろとあって、
「戦わなければ負けない。戦うならば勝て!」
「強さとは強い拳を打つことじゃない
強い拳を打たれても前に出る勇気を持つことが真の強さだ!」
う~ん、五臓六腑に沁み渡るお言葉。
貧乏だろうが金持ちだろうが誰でもじじぃになる。だけどこの言葉を常に胸に刻み、男は“じじぃ”になってもカッコよくあるべき!そう思わせるとても熱い映画でした。
【2013年度 Myランキング】(1/27時点)
本作は、本年度のベスト10中1位(暫定)にランクイン。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘 ★★★★☆
2位:レ・ミゼラブル ★★★★
3位:デッド寿司 ★★★☆
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
96時間/リベンジLOOPER/ルーパー
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