フランケンウィニー　（評価：★★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2013』の掲載にあたって」

もっとがんばれティム・バートン

★★★
（★…1点　☆…0.5点，★5つで満点）

（2012年／アメリカ／87分／Frankenweenie）

【　監督・原作　】
ティム・バートン

【　声の出演　】
チャーリー・ターハン
フランク・ウェルカー
ウィノナ・ライダー
キャサリン・オハラ
マーティン・ショート
マーティン・ランドー
ロバート・キャプロン
アッティカス・シェイファー

【あらすじ】

　とある町ニューオランダ。
　屋根裏に引き籠りがちの少年ビクターの唯一の友達は愛犬のスパーキー。しかし、交通事故でスパーキーを失ってしまう。
　打ちひしがれるビクターだったが、科学の授業からヒントを得て、スパーキーを蘇らせることに成功する。両親に秘密にしていたが、クラスメートがスパーキーを目撃、秘密にする代わりに動物を甦らせる方法を教えてしまう。そして町には死んだ動物たちが次々と甦り―

【コメント】

『アリス・イン・ワンダーランド』『ダーク・シャドウ』と、僕の中では外しに外しまくっているティム・バートン監督が、原点回帰を図ったのか、初期の自作をリメイクした本作。
　なんでしょう、自分でも「あ、こりゃちょっとヤベーな」なんて思って、初心を取り戻そうと手を付けたんでしょうか。

　まあ、そんな妄想はさておき、ストップモーションアニメで、しかもモノクロという本作。やはり初心を思い出したのか、実にティム・バートンらしいブラックユーモアあふれる作品に仕上がっておりましたね。
　登場するキャラクターも、一癖も二癖もあるガキンチョどもばかりで、憎たらしさがひしひしと伝わってくるし、ホラーテイストのファンタジックな展開も面白い。
　キャラで笑わせて、ちょっと怖くて、それでいてホロリとさせる感動。これだよこれ、こういうのが観たいんだよティム・バートン！やればできるじゃねーか。

　とはいえ、バートン作品的に見れば本作は小物。やっぱりあの『シザーハンズ』の衝撃は忘れられない。ティムよ、お前にはあれが作れるくらいの力量がまだまだあるはずだ！『ビッグ・フィッシュ』や『チャーリーとチョコレート工場』『スウィニー・トッド』の時のような、ノリにノッていたあの時代を取り戻すんだ！
　がんばれ、もっとがんばれティム・バートン！