モンスターズ・ユニバーシティ　（評価：★★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2013』の掲載にあたって」

安定しすぎて逆に物足りない

★★★
（★…1点　☆…0.5点，★5つで満点）

（2013年／アメリカ／110分／Monsters University）

【　監督・脚本　】
ダン・スキャンロン

【　声の出演　】
ビリー・クリスタル（田中裕二）
ジョン・グッドマン（石塚英彦）
スティーブ・ブシェミ（青山穣）
ヘレン・ミレン（一柳みる）
チャーリー・デイ（姫野惠二）

【あらすじ】

　子供のころからの夢だった“怖がらせ屋”になるため、はれて“モンスターズ・ユニバーシティ”の門をくぐることができたマイク・ワゾウスキ。
　怖がらせ屋を育成する“怖がらせ学部”に入部したマイクは、そこでサリバン家出身のエリートであるサリーと出会うが、サリーは自分の才能を慢心し努力を怠っていた。
　ところが、期末試験の日に、マイクとサリーは小競り合いがきっかけで怖がらせ学部を追い出される羽目に。希望を失い落ち込む二人だったが、学校の恒例行事“怖がらせ大会”で優勝することを条件に怖がらせ学部に戻ることを学長と約束、さえないチームと優勝をかけて大会に挑む―

【コメント】

　ピクサーの名作『モンスターズ・インク』から、なんと12年の間を置いて製作された続編である本作。もともと続編の構想があったのか、はたまた最近外し気味のピクサーが原点回帰のために持ち出したものかは定かではないが、『カールじいさんの空飛ぶ家』『カーズ2』『メリダとおそろしの森』の流れを見ると、後者があてはまるんじゃないか？と思えなくもない今日この頃。

　とはいえ、題材が『モンスターズ・インク』だし、そんなに大きく外すことはないだろうと、子連れのママさんやラブラブカッポーを押しのけて独り鑑賞した次第ですが、まあ相変わらずの安定ぶりですね、ピクサー。安定しすぎ。
　キャラも相変わらず魅力的だし、ストーリー展開も飽きさせず楽しい。それでいてちょっとホロリとさせる感動も盛り込みつつ、ディズニーのお家芸・テンプレのてんこ盛りで、お子ちゃまもママさんたちも安心して観られる。まあこれで満足しない人はいないでしょうな。

　ただ、僕としてはこの展開、いささか飽きてきた。
　安定・安心のピクサーに間違いはないが、似たような展開をいくつも観てると、逆に物足りなくなる。ちょっと崩してほしいという欲求が芽生えちゃう。まあ、鑑賞する対象者を考えると、変に崩して冒険されるよりテンプレどおりの鉄板ネタやってたほうが間違いはないんですけどね。
　だけどなんとなく、製作陣のお手軽感というか、「『モンスターズ・インク』の続編なんだから絶対に大丈夫！」という変な余裕・慢心が感じてとれた気がしてならなかったです。
　うん、多分僕の考え方がひねくれてるんでしょう。