「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
“今さら感”が漂う、無理やり作った続編
★★☆
(2015年/日本/129分)
【 脚本・監督 】
石井隆
【 出演 】
東出昌大
桐谷健太
土屋アンナ
柄本佑
安藤政信
根津甚八
竹中直人
福島リラ
テリー伊藤
井上晴美
りりィ
松本若菜
菅田俊
井坂俊哉
鶴見辰吾
佐藤浩市
【あらすじ】
広域指定暴力団の五誠会系大越組を5人の男たちが襲ってから19年後。
その事件で命を落とした大越組若頭の息子・勇人は、スナックを経営する母親と慎ましく暮らしていた。同じく大越組組長の息子・大輔は、五誠会初代会長の孫である三代目・誠司の用心棒をしつつ、大越組を再興させたいと願っていた。
ある日、勇人の母のもとに富田と名乗るルポライターが訪れ、19年前の事件を執拗に聞いてきた。実は富田の父親も19年前の事件で命を落としていたのだった。
勇人・大輔・富田そして誠司の愛人である元アイドルは手を組み、五誠会に復讐すべく隠し金庫の金を強奪するのだが―
【コメント】
さて、日本のベテラン映画監督・石井隆の代表作ともいうべき1995年のバイオレンスアクション映画『GONIN』が、20年の歳月を経てまさかの正統続編公開!
ぶっちゃけ劇場で観ようかどうかは直前まで迷っていましたが、ここはひとつレイトショーで観てみるかということで、夜な夜な「立川シネマ・シティ」に足を運んだ次第です。
なぜ今さら「GONIN」?無理やり作ったような続編
いや、まあこんなもんでしょといった感じですかね~
内容としては、前作で死んだ男たちの息子たちが、父親の幻影を追いながらまたドンパチ繰り広げるという、設定的に見てもどうしても無理やり続編作りました感を感じさせるものでしたかね。
そもそも前作『GONIN』自体がそれほど面白い映画ではなかったし、さらに20年のインターバルがあるもんだから内容から何からうろ覚えのまま鑑賞してしまい、「なんで今さら続編なんて作ったのか?」という疑問が拭えないまま、正直まったく感情移入できず終わってしまった感じです。
前作の知識は必須、しかしキャラのインパクトは前作のほうが上
そんなわけで、設定上本作は前作『GONIN』と密接に絡んでいるので、本作の鑑賞前に前作復習は必須です。まあ、そこは製作側が察したのか、ご丁寧に冒頭で前作のダイジェスト的な場面が流れるので、前作うろ覚えでもなんとかついていくことは可能です。
ただ残念ながら、本作の出演者のインパクトは前作に比べてどうしても落ちちゃいますね。なんていったって前作は佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、竹中直人、椎名桔平、そしてビートたけしというクセのある役者ばかりでしたからね。こう言っちゃなんですが、東出昌大、桐谷健太、
土屋アンナ、柄本佑、安藤政信の新GONINのキャラインパクトは薄いと言わざるを得ませんね。
個人的には、井上晴美を久々に見てちょっと感動しました。彼女、確か今農業やってなかったっけ?四十路過ぎでも全然セクシーな容姿はさすが元グラビアアイドルといったところです。
土屋アンナのビッチぶりは一見の価値あり
とは言え、本作での土屋アンナは特筆すべきキャラだったと思います。全体的にキャラ薄な中で唯一といっていいくらい輝いていましたね!
半ケツ上等、パ●チラ上等、ミニスカで生足を惜しげもなく露出したアメリカの情婦のようなセクシーなファッションに身を包んだ彼女のビッチぶりは、本作のMVPといっても過言じゃないでしょう。
本作を観るならば、土屋アンナを観よ!と僕は言っておきます。
今回限りの根津甚八復帰は刮目すべし!
もう一人、特筆すべき役者はなんといっても根津甚八でしょう。
ちょいと前はテレビで映画でよく見かけたベテランの役者さんでして、もちろん前作でも主要キャラで登場していましたが、病気やらなんやらでいろいろとあって、現在は役者業を廃業しているそうです。
そんな彼が、石井隆監督のラブコールに応えて今回限りの役者復帰、本作の見どころのポイントでもあるわけです。
久しぶりに見る根津甚八は御年67歳、僕の知っているクールで男前な根津甚八と比べるとさすがに老けたな~という印象がありますが、おそらくは最後であろう根津甚八の雄姿、心して拝見すべし!です。
80年代の空気を味わいたい人は堪能できるかも
本作の雰囲気的には、まさに松田優作なんかが活躍していた80年代の日本アクション映画に空気が似ていますね。そこはまさに石井隆監督の得意とするところなのかも知れません。
内容的には微妙でしたが、バイオレンスアクションとしては及第点をあげたいくらいの迫力はありましたし、そんな空気を堪能したい人ならばうってつけかも知れませんね。
【2015年度 Myランキング】(9/26時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
レイトショーは長袖必須の季節。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆
2位:チャッピー ★★★★
3位:フォックスキャッチャー ★★★★
4位:映画 ビリギャル ★★★★
5位:野火 ★★★★
6位:アゲイン 28年目の甲子園 ★★★★
7位:セッション ★★★★
8位:プリデスティネーション ★★★★
9位:キングスマン ★★★☆
10位:おみおくりの作法 ★★★☆
次点:ナイトクローラー ★★★☆
ムカデ人間3 ★★★☆
テッド2 ★★★☆
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:極道大戦争 ★
2位:ストレイヤーズ・クロニクル ★☆
3位:進撃の巨人 ATTACK ON TITAN ★★
<その他ランク外一覧>
96時間 レクイエムシン・シティ 復讐の女神神様はバリにいるバンクーバーの朝日激戦 ハート・オブ・ファイトビッグ・アイズジョーカー・ゲームREC/レック4 ワールドエンドANNIE アニーミュータント・タートルズデッドハングマッハ!無限大アメリカン・スナイパーソロモンの偽証 前篇・事件AFFLICTED アフリクテッドシェフ 三ツ星フードトラック始めました余命90分の男ハネムーンイミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密エイプリルフールズジュピターソロモンの偽証 後篇・裁判バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)ワイルド・スピード SKY MISSION寄生獣 完結編ザ・トライブ龍三と七人の子分たちシンデレラマッド・ナースラン・オールナイトZアイランドイニシエーション・ラブメイズ・ランナー新宿スワン予告犯ピッチ・パーフェクトインド・オブ・ザ・デッドトゥモローランドラブ&ピースマエストロ!アナベル 死霊館の人形アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンターミネーター:新起動<ジェニシス>バケモノの子リアル鬼ごっこスペシャルID 特殊身分HEROゴッド・ギャンブラー レジェンドジュラシック・ワールドミッション:インポッシブル ローグ・ネイション幕が上がる死霊高校ワイルドカードやるっきゃ騎士〈ナイト〉くちびるに歌を映画 みんな!エスパーだよ!さよなら歌舞伎町ピクセル進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールドピエロがお前を嘲笑う天空の蜂リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴンGONIN サーガ
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