「7500」　★★～オチはいいのに、劇的につまらない展開

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2015』の掲載にあたって」

オチはいいのに、劇的につまらない展開

★★

(C)2014 CBS Films Inc. All Rights Reserved

（2014年／アメリカ／79分／7500）

【　監督　】
清水崇

【　出演　】
ジェイミー・チャン
レスリー・ビブ
ジェリー・フェレーラ
ニッキー・ウィーラン
ライアン・クワンテン
エイミー・スマート
ジョナサン・シェック
スカウト・テイラー＝コンプトン
アレックス・フロスト
リック・ケリー
クリスチャン・セラトス

【あらすじ】

　ヴィスタ・パシフィック航空のロサンゼルス発東京行きジャンボ・ジェット7500便に乗り込む乗客たち。
　離陸後、しばらくして激しい乱気流が7500便を襲い、機内はパニック状態に。ほどなくして乱気流は収まったものの、営業マン風の男性が突如として苦しみ始め死んでしまう。
　これを契機に、7500便の機内では不可解な現象が多発、やがて乗客が次々と謎の死を遂げていく―

【コメント】

　本作は、ちょいと前に新宿バルト９まで足を運んだ際にポスターを見かけており、「お、ちょっと面白そう」と気になってたままスルーしてた作品ですが、どういうわけかTSUTAYAでソッコーレンタルされていたので手にした次第。まあ、話題にもならなかったしね。

(C)2014 CBS Films Inc. All Rights Reserved

オチはいいのに、劇的に展開がつまらない

　いやーもったいないなー。オチはいいのに、そこまでのストーリー展開が劇的につまんないんだもん。もっとうまく運んでいれば“ラスト3分、予測できないどんでん返し！”ってな宣伝文句で集客も可能だったのに。
　そう、本作のオチはいわゆる「実は○○○だった！」という、まあよく使われるどんでん返しといえばそうなんだけど、それでも「おーなるほど」と僕的にはちょっと感心したオチではありました。
　だけどさー、そこまでの道程がつまらんのなんのって。乗客に襲いかかる怪奇現象も全然怖くないうえに、乱気流による機内パニックも茶番劇そのもので、まったくもって盛り上がらない。
　79分というメチャ短い上映時間なのに、オチに辿り着くまでが退屈極まりない映画です。
　

主役が誰かも分からない無個性キャラ達

　本作がつまらないもうひとつ理由として、キャラたちに全然魅力がないことですかね～
　というか、結局誰が主役だったの？っつー部分から始まって、それぞれが大した特徴もない薄ーい無個性キャラが揃っているので、共感しようにもできない。
　口悪い奥さんとパンクガールくらいですか、記憶に残るのは。男性群はほぼ壊滅的で、誰が何の役だったのかも憶えてない。
　ゆえに、良かったはずのオチが全然グッと来なかったんですね。

旬はとうに過ぎたJホラー

　本作は一応ハリウッド映画ですが、映画監督はあの「呪怨」シリーズでJホラーの第一人者として名を馳せた清水崇。「呪怨」は10年ほど前にハリウッドでもプチブーム起こりましたからね。
　本作を観ると、そんなJホラーも今は昔、旬はとうに過ぎちゃった感は否めないです。「呪怨」シリーズは清水崇の代表作ともいうべきかなり怖い物語でしたが、本作を観ちゃうともうね、腕落ちたんじゃねーのと。『リング』で一躍有名になった中田秀夫監督もしかりで、昨今の作品は酷いものばかり。あのブームは一体なんだったのかと感じちゃいますね。
　それでも和製ホラーは大好きなので、その火を消さないよう彼らを超える新進の監督の登場に期待しますよ。