「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
“見応えあり”か“退屈”か、評価が分かれる映画
★★★
(2015年/アメリカ/142分/Bridge of Spies)
【 製作・監督 】
スティーブン・スピルバーグ
【 脚本 】
マット・シャルマン
イーサン・コーエン
ジョエル・コーエン
【 出演 】
トム・ハンクス
マーク・ライランス
スコット・シェパード
エイミー・ライアン
セバスチャン・コッホ
アラン・アルダ
オースティン・ストウェル
ミハイル・ゴアボイ
ウィル・ロジャース
【あらすじ】
アメリカとソ連が一触即発の冷泉状態にあった1957年。
保険の分野でやり手の弁護士ジェームズ・ドノバンは、上司の命により政府が身柄を拘束したソ連のスパイであるアベルの弁護をすることになる。
敵国スパイを弁護することにより、自分の身はおろか家族までを危険にさらすことになったが、保険で培った交渉により、アベルの死刑を回避することができた。
その後、ソ連と東ドイツでアメリカ人2人が拘束され、ドノバンはアベルを引き換えに2人の解放を求め、一人敵地に向かうのだが―
【コメント】
さて、いよいよ幕を切りました2016年。今年の一発目は何を鑑賞しようか、よしこれなら新年の幕開けにふさわしいぞと選んだのが本作。なんせ、スティーブン・スピルバーグ御大の監督と名優トム・ハンクスとのタッグ、そしてあの『ファーゴ』のコーエン兄弟脚本となれば、多少小難しい作品であっても観ないわけにはいかないでしょう。
遅い正月休みを取るために実家へ帰省していたので、身を切る寒さの中、地元の映画館に足を運んだ次第です。
“見応えあり”か“退屈”か、評価が分かれる映画
うむ、なるほど。決して派手なエンタメではないものの、重厚で見応えのある作品だったと思います。
米ソ冷戦時代を背景に、アメリカの同志2名の解放のため共産主義にたったひとりで立ち向かうといった内容ですが、ドンパチのようなアクションもなくただただ交渉、交渉、ひたすら交渉でもって解放への道を開く。この筋書きは、僕がもっと若い時に観ていたら非常に“退屈”な映画だと感じたに違いありません。
本作は、そんな政治的背景が分かるまさに大人の社会派サスペンスだと思います。じっくり観れば非常に丁寧に仕上げられているし、決して複雑な物語ではない。主人公ドノバンがいかにして2人同時に解放への道筋を立てていくか、という交渉に集中すれば、非常に見応えのある映画だと思いますね。
手堅く安定したトム・ハンクスの名演
そんな難しい主人公ドノバンを演じたベテラン俳優トム・ハンクスは、さすがの名演だったと思います。
若かりし頃のコメディエンヌやラブコメ演技を経て、最近は歳相応の重厚で深みのある演技が多いですが、どんな役を演じても手堅く安定していて、ドノバン=トム・ハンクスといっても全然違和感を感じないくらいキャラを取り込んでいます。
トム・ハンクスの演技は本当に観ていて安心します。
問題は“人”ではなく、煽動する“国”
本作で描かれるもうひとつのドラマとして描かれている、主人公ドノバンとソ連スパイである飄々としたアベルとの奇妙な絆。クライマックスのドノバンとアベルとの別れのシーンは心を打たれるシーンです。
これを見ると、ドノバンもアベルも国の命で、お国のために動いているのであって、決して個人のパーソナルに非があるわけではないんですね。
いかに敵国であろうと、ひとりの人間として向き合えば心は通じ合う。その心を操り、国民を「ソ連憎し」「アメリカ憎し」と煽動している国こそ問題ではないのか、本作のテーマはそういうところなんじゃないかと感じましたね。
米ソ冷戦の史実を予備知識として
僕が本作を観るのに最も足りなかったのが、米ソ冷戦時代にあった出来事やその過程。
本作も史実を基に作られた作品ですが、この冷戦時代にどういった戦いが繰り広げられていたのか、もしかしたら第三次世界大戦が始まったかも知れないこの史実についてあまり知識がなかったのが悔やまれるところです。
米ソ冷戦の予備知識を付けて観れば、本作はさらに面白く感じるかもしれません。
スピルバーグ、本作で悲願のアカデミー作品賞なるか?
本作をはじめ『リンカーン』『戦火の馬』など、ここ数年のスピルバーグ御大は往年のSFやファンタジックな作風は鳴りを潜め、のきなみ史実に基づいた映画ばかりを作ってますね。
どこぞの映画評論家が語っていた言葉をふと思い出したんですが、スピルバーグ御大は本作でもアカデミー作品賞を狙っているんだと思います。なにせ、『リンカーン』『戦火の馬』で連続してノミネート止まりになってしまっているため、本作には並々ならぬ気合が入っているんじゃないかと。考えてみれば、本作でのトム・ハンクスやコーエン兄弟の起用もなるほどと感じますね。
果たして本作で悲願のアカデミー作品賞受賞なるか、3月の授賞式が楽しみです。
【2016年度 Myランキング】(1/12時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
今年は寒いですな。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:
2位:
3位:
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
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