「暗殺教室～卒業編～」　★★★～ぶっちゃけ主役は二宮君

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」

ぶっちゃけ主役は二宮君

★★★

(C)2016 フジテレビジョン集英社ジェイ・ストーム東宝 ROBOT (C)松井優征／集英社

（2016年／日本／118分）

【　監督　】
羽住英一郎

【　原作　】
松井優征

【　出演　】
山田涼介
二宮和也
菅田将暉
山本舞香
桐谷美玲
竹富聖花
優希美青
上原実矩
橋本環奈
加藤清史郎
知英
成宮寛貴
椎名桔平
阿部力
武田玲奈

【あらすじ】

　地球破壊を宣言したタコ型超生物“殺せんせー”が椚ヶ丘中学校の落ちこぼれクラス3年E組の担任教師となってから半年。
　クラスの茅野カエデが突如として暗殺者としての正体を現し殺せんせーを襲撃する。実はカエデは、かつてE組の担任であった雪村あぐりの妹だった。
　これをきっかけに殺せんせーは、かつて死神と呼ばれた殺し屋だった過去を話し始める。暗殺に戸惑うE組だったが、世界規模での暗殺作戦が動き出していた―

【コメント】

　そもそもこの日、別の映画を観ようと思っていたんですが、私用でいろいろと街を歩き回っているうちに時間が間に合わず、とりあえず今日はこれでも観るかと急遽変更したのが本作。
　もともと観る予定もなかったんですが、昨年DVDで観た前作『映画暗殺教室』がそこそこ面白かったし、あれからアニメ版もちょこちょことレンタルするようになったんで、ここはひとつ観てみようと「立川シネマシティ」で鑑賞した次第です。

(C)2016 フジテレビジョン集英社ジェイ・ストーム東宝 ROBOT (C)松井優征／集英社

良くも悪くもティーン向け、だけどラストは感動

　うむ、なるほど。まあ良くも悪くも相変わらずティーン向けでしたね。そこを許せるか子供っぽいと思うかは気持ち次第ってところですね。僕的にはハードルを低くして鑑賞しましたので、こんなもんでしょうと許せる範囲ではありました。
　まあでも、ちょっと中盤の殺せんせーの思い出話はグダった感じはします。後半の生徒が政府に立ち向かうところもうまくいき過ぎてんなーと。だけど、ラストの生徒と殺せんせーとの涙の別れシーンはさすがにグッときましたね。このシーンでこれまでの展開を許せます。まずまず楽しめたといったところでしょうかね。

メインは殺せんせーと雪村先生の純愛ラブストーリー

　前作のような殺せんせーと生徒たちが繰り広げるドタバタな展開はもちろんあるんですが、今回は、殺せんせーの過去を掘り下げた殺せんせーと雪村先生の純愛ラブストーリーが中心でしたね。前作でそんな過去のシーンがチラッと映るシーンがありましたが、その場面が本作の本筋となる部分ですね。
　そういった意味では、この展開は非常に重要な核心部分となるわけですが、その回想シーンが意外と長くて、もうちょっとうまくまとめられなかったのかね～と。主役が二宮君と桐谷に変わっちゃったのかと感じるくらいでしたね。

ぶっちゃけ主役は二宮君

　とはいえ、ぶっちゃけ主役は完全に二宮君だった気がしないでもありませんね。
　言わずもがな、前作・本作ともに主役は渚役の山田君ですし、二宮君は殺せんせーの声役として前作はほとんど姿を現しませんでしませんが、本作はガッツリすぎるほど登場。それこそ主役の山田君を喰ってしまうくらいの存在感で、山田君だけじゃなく他の出演者たちをも薄くさせちゃうくらいでしたね。

影が薄かったサブキャラたち

　二宮＆桐谷がほとんど持ってっちゃったもんだから、サブキャラたちの見せ所がいまいち光っていなかったのも残念なところ。
　菅田将暉はかろうじて見せ場があったものの、前作にバッチリと見せ場があった橋本環奈、加藤清史郎、知英が今回はすっかり殺せんせーの陰に隠れちゃっててもったいなかったですね。
　椎名桔平の存在感は相変わらずビシッとしてますね。

映画の終わり方に好感、番外編いけるか？

　そんなわけで、卒業編と題しているとおり実写版の暗殺教室はこれで終わりとなるわけですが、将来の夢が無かった渚君が夢に向かって教師になったラスト、これは良い終わり方だったと思いますね。スッキリします。
　今後、渚君を主役にした番外編を作ってみても面白いかもしれませんね。どうしようもない不良の吹き溜まりに担任として就任した渚先生が繰り広げる“暗殺教室”、意外と面白いかもです。