「君の名は。」　★★★★～まさに圧巻の映像美！

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」

まさに圧巻の映像美！★★★★

【あらすじ】

　千年ぶりに彗星が地球に近づこうとしている日本。

　田舎町に暮らす女子高生の宮水三葉は、東京での華やかな生活に憧れを抱いていた。一方、東京で暮らす男子高生の立花瀧は、バイト先の奥寺先輩に憧れを抱きつつ、平凡な生活を送っていた。

　面識のない二人がある朝起きると体が入れ替わってしまう。戸惑う二人だったが、入れ替わるごとに互いが気になる存在になっていく。

　そんな生活が続き、瀧は三葉が住む田舎町に行くことを決める。しかし、そこで意外な事実が判明、互いの運命が動き始める―

【コメント】

　もともと、先週鑑賞しようと思っていた本作。全国でも大ヒットしているようで、この日も行きつけの映画館は満員御礼で予約できず、最後の手段とばかりに、「MOVIX昭島」まで足を運んだところ、なんとか座席を確保できた次第。ここも珍しくほぼ満員でしたけどね。

　そんなわけで、苦心惨憺してやっとこさの鑑賞とあって、いったいどんなところが観客の心を掴んでいるのかと楽しみに鑑賞しました。

まさに圧巻の映像美！

　いやいや、素晴らしかったです！まさに圧巻の映像美、これほど壮大な青春ラブストーリーアニメを観たのは初めてですね。大ヒットも頷ける素晴らしさです。

　最初の展開は、往年の大林宣彦監督の名作『転校生』のような、男女の身体が入れ替わってアタフタするようなベタといえばベタな展開なので、確かに楽しいけどこれだけで終わる作品ではないだろうと展開を見届けていたんですが、後半、本作のトリックとなる“意外な事実”が判明したところで急展開を迎えたあたりからは、まさに怒涛の展開。彗星が降り注ぐ夜空、糸森町を見下ろす圧巻の風景の美しさ。そこで繰り広げられる、時を超えた純粋な恋。一気に映像に吸い込まれましたね。

　もっとも、よくよく考えれば「入れ替わったときにカレンダー見なかったのかよ！」とツッコミが入ってもおかしくないトリックではありましたが、そんな部分をチャラにするくらい後半の展開と映像には惹きこまれましたね。

　観た後は、学生時代に体験した穢れのない純な恋を思い出すノスタルジーに浸れること請け合いの素晴らしいアニメ作品でした。

フレッシュな声がピッタリの神木隆之介＆上白石萌音

　本作の映画の素晴らしさもさることながら、主役の瀧と三葉の声を演じた神木隆之介と上白石萌音がとてもフレッシュでナチュラル、違和感もなくとても良かったと思います。

　まだまだ若いのに二人とも演技は実力派、しかも本作では声優としてもさすがの一言につきますね。初々しい主人公たちを見事に演じてくれました。ベストキャスティングですね。

　他にも奥寺先輩役として長澤まさみも出ていますが、こっちは奥寺先輩らしい落ち着いて大人な声がバッチリです。

　ほんと、本作の声はベストキャスティング、妥協を許さない監督らしいです。

一気にスターダム入り！新海誠監督の手腕

　そんなわけで、本作を監督した新海誠監督はこれで一気にアニメ映画のスターダムにのし上がりましたね。

　もともと、『秒速５センチメートル』や『言の葉の庭』などのアニメ作品で、前々から評価の高かったアニメ監督ではありましたが、本作の大ヒットを受けて一気に名が知られることとなりましたね。それこそ、宮崎駿、細田守に続くファンタジックなドラマアニメの大御所になりうる逸材だと思います。

　本作は今年の大ヒット作品として名を残す作品になると思いますが、これからの新海誠作品に期待せずにはいられませんね！