「ｐｋピーケイ」　★★★☆～禁断の宗教に挑戦した良作エンタテイメント

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」

禁断の宗教に挑戦した良作エンタテイメント★★★☆

(C)RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED （2014年／インド／153分／PK）【　製作・脚本・監督　】ラージクマール・ヒラーニ

【　出演　】

アーミル・カーンアヌシュカ・シャルマスシャント・シン・ラージプートサンジャイ・ダットボーマン・イラニサウラブ・シュクラパリークシト・サーハニー

【あらすじ】

　インドのテレビ報道局で働くジャグーは、かつて留学先でパキスタン人の青年と恋に落ちるも、宗教上の違いから親の猛反対を受け失恋していた。

　ある日、地下鉄で黄色いヘルメットを被った奇妙な男を見かける。“ｐｋ”（酔っ払い）と呼ばれる彼は、「神様が行方不明」とチラシを配っていた。

　その男に興味を持ったジャグーは彼を取材し始めるが、やがてｐｋが語る言葉は世間の宗教の概念を覆すものだった―

【コメント】

　さて、今回は“ボリウッド”でおなじみ、インド映画を鑑賞。

　本作は、2013年公開の『きっと、うまくいく』で好評を博した製作陣が放つ待望の新作で、僕もつい最近『きっと、うまくいく』を観て感激したので、本作を楽しみにしてました。

　インド映画というまだまだマイナーなジャンルで劇場数も少ないながら、近所の「立川シネマシティ」で公開されていたので、こりゃラッキーとばかりにさっそく足を運んだ次第です。

(C)RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

禁断の宗教に挑戦した良作エンタテイメント

　いやーさすがのインド映画、歌あり踊りあり、恋ありドラマあり、笑いあり涙ありのてんこ盛りエンタメ。お話はベタながらも、とにかく観客を楽しませることに徹した映画で、2時間半という長尺をまったく感じさせない面白エンタテイメントでしたね！

　加えて、宗教という信仰深いインドでは挑戦的ともいえるの内容。オープニングのお断りメッセージにもあったように、現代の宗教の考え方に疑問を呈するもので、よくぞここまで切り込んでくれたと感心しました。監督の本心・テーマは実はここにあったんだろうと感じます。一歩間違えれば大変なことになったことでしょう。

　とはいえ小難しい内容でなく、あくまで観客を楽しませるというエンタメに徹したものなので、観てて楽しいし満足感は十分です。

インド女性はやっぱり美しい！輝いてるアヌシュカ・シャルマ

　本作のヒロイン・ジャグーを演じたアヌシュカ・シャルマを見ると、改めてインドの女性って美しいな～って感じますね。まあ映画ですから、それなりの女優をキャスティングしているんでしょうけども。

　それにしても、ヒロインにふさわしくアヌシュカは本当に輝いてましたね。A●女優の里見ゆりあにどことなく似ているな～と思ったのは失礼でしょうか。ともあれ、とても愛嬌があって笑顔が可愛らしい。ショートカットがとても似合っているし、どこか天然でキューティーでありながらも大人っぽいセクシーも兼ね揃えている。彼女を見ているだけでも目の保養になるってもんです。

宗教とは何かを考える

　現代でも宗教というものは非常にデリケートなものなので、むやみやたらに語れるものではないのは承知ですが、本作を観ると、改めて宗教とは何か、信仰心とは何か、というのを考えさせられますね。

　本作でも、ｐｋの言葉を通して監督が伝えたいメッセージがダイレクトに伝わってきます。こんなに頼んでいるのになぜ神様は助けてくれないのか、なぜこんなことをしないといけないのか、といった宗教にかかる素朴な疑問をｐｋを通して語っています。

　正直、僕自身もそんな疑問を持っていたので、本作のｐｋの言葉は僕の疑問を代弁しているようでとても共感が持てました。これを機会に現代における宗教や信仰心というものについて考えるのも良いかもしれません。

　ちなみに僕は、「自分の力で生きない人間を神様は助けない」と思っています。