「ローグ・ワンスター・ウォーズ・ストーリー」　★★★～スター・ウォーズの安売りはしちゃダメ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」

スター・ウォーズの安売りはしちゃダメ★★★

(C)2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. （2016年／アメリカ／134分／Rogue One: A Star Wars Story）【　監督　】ギャレス・エドワーズ【　出演　】フェリシティ・ジョーンズディエゴ・ルナドニー・イェンベン・メンデルソーンマッツ・ミケルセンアラン・テュディックチアン・ウェンリズ・アーメッドバリーン・ケインフォレスト・ウィテカー

【あらすじ】

　科学者のゲイレン・アーソは、帝国軍が開発する究極兵器“デス・スター”開発のために、クレニック長官に連れ去られる。

　帝国軍の手から逃れたゲイレンの娘ジンは、数年後、反乱軍の保護下に入るが、銀河全体を脅かすデス・スターの設計図を入手するため、情報将校キャシアン・アンドー、盲目の僧侶チアルート・イムウェらとともに“ローグ・ワン”を結成。父の敵を討つため、帝国軍に戦いを挑む―

【コメント】

　さて、昨年の今頃に社会的現象となったSF映画の金字塔「スター・ウォーズ」シリーズの新3部作の第1弾『スター・ウォーズフォースの覚醒』ですが、そこに間髪入れず今年も公開され話題沸騰の本作。

　本作は、本編とは違うアナザーサイドストーリーということですが、EP3とEP4の間をつなぐ物語ということで、実質のシリーズ的内容となっている模様。

　前回でも語ったように、僕自身さほどこの「スター・ウォーズ」シリーズに熱狂的ではないものの、これは映画ファンなら観とかなきゃなと、さっそく夜の「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

クライマックス“だけ”が熱い展開の微妙なスター・ウォーズ

　うーん、なんか微妙だったなー。正直に言わせてもらうと、ぶっちゃけ前半、というかクライマックスに至るまでの展開が非常に退屈、クライマックスのまさにスター・ウォーズ状態のシーンだけが熱くなれる微妙なスター・ウォーズでしたね。

　いやほんと、まじめに本編の大半が一体全体何やってんのか分からず、主人公ジンをはじめとした様々な登場人物もまったくもって無個性で全然印象に残らない。退屈しちゃいましたね。

　それでも、クライマックスの反乱軍ローグ・ワンと帝国軍との戦いが始まると、Xウィングやタイ・ファイターが飛び交って「あーやっぱりスター・ウォーズだ」と安心させてくれる。ダースベイダーの登場や無双が始まるとさすがにワクワクさせてくれるし、ローグ・ワンのメンバーたちが華々しく散っていくシーンも感動もの。とりあえずローグ・ワンでもう1本映画作ってやろうといったヨコシマな考えはない模様。

　そして、なんといってもラストシーン、レイア姫の登場で「なるほど！これでEP4に繋がるのか！」とニヤリとさせてくれるシーンもあって、ぶっちゃけクライマックスで一気に持っていった感じがありましたね。

爪痕を残したドニー・イェン

　本作で個人的に注目していたのはアジアのアクションスター、ドニー・イェンの活躍ぶりでしたね。イマイチ登場人物にインパクトがない中で、ドニーは確かな存在感で爪痕を残したと思いますよ。

　盲目の僧侶という設定でしたが、ちょっと期待していた彼の棍を使ったアクションも堪能できたし、クライマックスで散っていく雄姿もカッコいい。願わくばもうちょっとドニーのカンフーアクションを盛り込んでくれればよかったかなと。

　とはいえ、アジアのアクションスターがこういったハリウッドの大作に出演してくれるのは個人的に非常にうれしい限り。映画自体は微妙でしたが、ドニーの雄姿が見れたのも評価に値する一因でしたかね。

スター・ウォーズの安売りはしちゃダメ

　そんなわけで、個人的には微妙だったスター・ウォーズのアナザーサイドストーリー。噂によると、ディズニーは今後も本編とは違うアナザーストーリーをいろいろと準備しているようで、ハン・ソロのスピンオフも計画されている模様。

　これは、もしかして「アベンジャーズ」シリーズのように、本編といろんなスピンオフを年一で作っていくというわけではないでしょうね。いくらドル箱シリーズとはいえ、金字塔である「スター・ウォーズ」シリーズをそんなにちょくちょくと作られてしまったら、世界のファンからもありがたみが薄れてしまうという者。

　スター・ウォーズの安売りはしちゃダメ！ジョージ・ルーカスが託した黄金を雑に扱わないよう大事に取り扱ってほしいものです。