「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
素晴らしき「大人向け小学生映画」!!!
★★★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(2011年/日本/85分)
【 監督 】
井口昇
【 出演 】
中村有沙
菅野麻由
護あさな
優希
ダニー
岸健太朗
デモ田中
島津健太郎
【あらすじ】
自殺した妹の死からなかなか立ち直れずにいた高校生の恵。
ある日、先輩の亜矢に誘われ、真希やタケ、直井らとともに川へキャンプに行く。モデル志望の真希の目的は、ダイエットに効くといわれるモデル御用達の寄生虫サナダムシ。
サナダムシをゲットした真希は躊躇せずゴクリと飲み干すが、しばらくして腹の調子が悪くなり、オナラが止まらなくなる。たまらず村の汲み取り式便所に駆け込むが、便所の底からあろうことかゾンビが出現、真希たちを襲い始める。
運よく村の医者である田中に助けられ事情を説明すると、真希が飲み込んだ寄生虫は、人間の脳を支配する未知の寄生虫“ネクロゲドロ”だった―
【コメント】
個人的に井口昇という日本の映画監督にはとても注目している。
ぶっ飛びにぶっ飛んだスプラッターアクション『片腕マシンガール』しかり、昨年公開された特撮映画の傑作『電人ザボーガー』しかり、決して一般向けとは言えない、その子供だましにもほどがあるチープさとバカバカしい発想を持ちながらも、映像から押し寄せてくるパワーと爽快感に圧倒させる作品を作り続けている、数少ない“キング・オブ・チープ”“キング・オブ・B級”の映画監督だ。
さて、そんな監督が2012年早々に放った本作。・・・いやホント、よくもまあ作ってくれたよ、こんな映画を・・・
正直、汚物系の映像はダメなタイプなわけで(いや、OKの人のほうが少ないか)、注目監督といえど『ウンゲロミミズ』なんてとんでもないAV作品を作った実績があるだけに(ググるなよ!絶対にググるなよ!www)、本作の劇場での鑑賞はちょっと躊躇してたわけだが、意を決してレイト上映しかしていない新宿に夜な夜な足を運んでみたわけだ。まあ、少ない劇場、夜のみの上映、内容が内容なだけに当然だわなw
いや、いつもの井口節炸裂のバカ映画、サイコーに面白かったです。
躊躇してた汚物描写も思っていたよりも非常にマイルド、さほどの嫌悪感を抱くこともなく、脈絡のないオープニングのホットパンツ姉ちゃんのダンスから“オナラ飛行”のクライマックスまで、終始繰り返されるバカ展開に大いに笑わせてもらいました。劇場内も少人数ながら笑いに包まれていましたね。
小さい子供がウンチとオナラというワードに異常に喰いつくように、「小学生かよ!www」と思わずツッコんでしまう発想と展開、「井口監督は尻フェチの心を分かっている!」と絶賛できるくらいの映像における尻の扱い方、それでいていやらしさを感じさせない撮り方、尻を出し惜しみしない女優陣の心意気、そして「いじめ問題」を軽くスパイスしたテーマ性。まさに「大人向けの小学生映画」でした。
いやでも、これはさすがに人には薦められないけどねwwwバカ映画大好きな人たちにはぜひとも観てもらいたい。
井口監督は映画の撮り方に慣れてきたのかとてもスマートになっており、“井口昇スタイル”が確立してきた気がする。それは逆に言うと、以前のような荒々しさや爆発力がちょっと欠けて丸く収まってきたとも言えなくもない。そういった意味で本作はちょっと減点だったかな。
しかしながら、これからも井口昇監督作品にはおおいに注目していこうと思う。
最後に、本作品が出演した女優陣の黒歴史とならぬよう切に願う。
【2012年度 Myランキング】(3/10時点)
本作は、本年度のベスト10中3位(暫定)にランクイン。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:ライアーゲーム ‐再生(REBORN)‐ ★★★★
2位:ドラゴン・タトゥーの女 ★★★★
3位:ゾンビアス ★★★☆
4位:麒麟の翼~劇場版・新参者~ ★★★☆
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い ★★
2位:逆転裁判 ★★☆
3位:
<その他ランク外一覧>
ロボジーヒミズALWAYS三丁目の夕日'64メランコリアヒューゴの不思議な発明
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