「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

【あらすじ】
南北戦争終了後の開拓時代アメリカ。
ローズ・クリークの町は、金鉱を独占しようとする悪徳実業家バーソロミュー・ボーグにより牛耳られ、町の人々は絶望的な日々を送っていた。
ボーグにより夫を殺されたエマは復讐を誓い、賞金稼ぎのサム・チザムに助けを借りる。サムは、ギャンブラーのジョシュやかつての仲間ロビーショーらアウトローを雇い、ボーグに戦いを挑む―
【コメント】
さて、今回はかの巨匠・黒澤明監督『七人の侍』およびマカロニウェスタンの傑作『荒野の七人』をリメイクした本作をチョイス。
最近とんと見かけなくなった西部劇、個人的にはあまり得意なジャンルではなかったんですが、本作は2014年公開『イコライザー』のデンゼル・ワシントン&アントワン・フークア監督のタッグによるリメイクということで、こりゃ期待できるぞといつもの「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
いやー面白かった!とかくドラマチックで複雑な昨今の映画と比べ、シンプル・イズ・ベスト!悪い奴は最後まで悪い、カッコいい奴は最後までカッコいい!を貫く勧善懲悪の痛快西部劇でしたね!
まあ、もともとのネタ(『七人の侍』『荒野の七人』)がそういった勧善懲悪モノなので、変にイジるよりもストレートにリメイクしたほうが気持ちが良い。悪徳実業家ボーグは冒頭からラストの死に際までワルを貫き通したし、主人公サムをはじめとしたアウトローたちもカッコいい。クライマックスでは何人か討死していくわけですが、その死に際も王道に沿ったカッコいい死に方。昨今の映画ではあまりお目にかからなくなった、まさに“シビれる”男たちが戦う痛快西部劇でしたね。
マカロニウェスタンの定番“ガトリング銃”の無双ぶり
イタリア製西部劇、通称マカロニウェスタンといえば、なにはなくとも定番中の定番“ガトリング銃”!手でハンドルを回すだけでマシンガンのごとく弾丸が飛び散り人々を恐怖に追い込む、まさに悪魔の銃。いや、僕の勝手なイメージですが。
本作のクライマックスの戦いでもそれが登場していて、いやいやこれはやりすぎだと思うくらいの無双ぶりを発揮しております。まあ、それくらい現実離れしていたほうが面白いですけどね。
こんな悪のアイテムがあるからこそ、7人のアウトローの滅びの美学が生きてくるわけです。
町の人々との“団結”があればなおよし
主人公をはじめとした7人のアウトロー、そして最後まで悪を貫き通したボーグは文句なしの野郎どもでしたが、本作のミソは単なるアウトローのヒーローものではなく、「皆が“団結”しなければ悪には立ち向かえない」というところで、本作ではそこの描き方が若干弱かったのが残念なところ。
アウトローとはいえ生身の人間、たった7人で数百の荒くれ者やガトリング銃に立ち向かえるわけがない。必要なのは皆が一丸となって毅然と悪に立ち向かう、というその姿勢が『七人の侍』にあったテーマです。
とはいえ、久々にスカッとする痛快映画を観られたのはうれしい限り。練りに練った、凝りに凝った映画もいいですが、こういった原点に立ち戻った勧善懲悪の映画ももっと作られてほしいです。
【2017年度 Myランキング】(2/4時点)
本作は、本年度のベスト10中3位(暫定)にランクイン。
試験終わったー!
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
3位:マグニフィセント・セブン ★★★☆
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>

