「人魚姫」　★★★～やや地味めながらもシンチー節は健在！

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

やや地味めながらもシンチー節は健在！★★★Image may be NSFW.
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（2016年／中国・香港／94分／美人魚 Mermaid）【　製作・脚本・監督　】チャウ・シンチー【　出演　】ダン・チャオリン・ユンキティ・チャンショウ・ルオ

【あらすじ】

　美しい自然が残る香港郊外の青羅湾。

　若き実業家リウは、青羅湾を買収しリゾート開発のために埋め立て許可を取り付ける。そんな中、環境破壊のために行き場を失った“人魚族”は、リウを暗殺するためシャンシャンを派遣するが、あえなく失敗に終わってしまう。

　しかし、リウは純真なシャンシャンに次第に心惹かれていき、シャンシャンもリウに惹かれ始めていく。そんな二人の思いとは裏腹に、人間族VS人魚族の争いは激化していく―

【コメント】

　さて、本作は僕が大好きな香港映画『少林サッカー』『カンフーハッスル』の監督チャウ・シンチー待望の新作なわけですが、恥ずかしながら劇場公開時、本作の存在を全く知らず、それを知ったときにはすでに公開が終了しており、早く観たいとDVD化を待ち望んでいた映画であります。

　いや～なんかひっそりと公開されてひっそりと終了した感があって、かつて日本でもブームになったチャウ・シンチーもこんな扱いになってしまったのかと、ちょっと残念な気持ちになってしまいましたね。

　とにもかくにもやっとこさのDVD化、行きつけのTSUTAYAにも陳列と相成ったので、有無を言わさず手に取り鑑賞した次第です。

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　いや～面白かった。日本での扱いは悪くなっても、本作からは相変わらずのシンチー節が炸裂してましたね。ハチャメチャなストーリー展開と、クライマックスで見せる盛り上がりと感動。これまでのシンチー映画と比べるとやや地味めな感じはしましたが、それでもシンチー節は健在だなと感じさせる一本でしたね。

　人間と人魚が恋に落ち、周りを巻き込んで騒動が起こるという、『スプラッシュ』にも似たメルヘンラブコメディなわけですが、中国特有というかシンチー特有のベタベタなお笑いに最初は失笑するも、ストーリーが進むにつれてそれにどんどんのめり込んでいってしまうのがシンチー映画の不思議なところ。クライマックスの盛り上げ方は「人魚がんばれー！」と叫びたくなるくらい。さすがの一言です。そんな感動のクライマックスでも笑いを忘れないところはシンチーらしい部分。

　そして、なんといっても人魚シャンシャン役のリン・ユンが唯一無二に可愛らしい！アジアン・ビューティーとはまさに彼女のこと。本作で最初に登場するとき、メチャクチャなメイクでとんでもないドブス顔で登場するわけですが、彼女のはつらつとした姿や純朴な心にどんどん惹かれていくわけです。そこが『少林サッカー』のヴィッキー・チャオにも共通するところですね。リン・ユンを観るために本作を観ても損はしないでしょう。いや～シンチーは可愛いコを見つけるのが本当にうまいですな。

　そんなわけで、地味めながらも確かなシンチー映画として楽しめる映画になっております。ラブコメも悪くないですな。

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