「ひるね姫～知らないワタシの物語～」　★★★～可も不可もない安定の日本アニメ映画

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

可も不可もない安定の日本アニメ映画★★★

【　声の出演　】高畑充希満島真之介古田新太釘宮理恵高木渉前野朋哉清水理沙高橋英樹江口洋介

【あらすじ】

　2020年の東京オリンピック開幕を3日後に控えた日本。

　岡山県倉敷市に住む女子高生・森川ココネと、自動車の改造に熱中する父は、早くに母親を亡くしてしまい、貧しいながらも明るく暮らしていた。

　そんなある日、突如、父が警察に逮捕され東京に連行されてしまう。父の逮捕に疑惑を抱いたココネは、父を助けるため幼馴染の大学生モリオとともに東京に向かう。

　その道すがら、ココネがいつも見ている夢に事態解決の糸口があることに気づき、やがて亡き母親と父との姿に近づくことになる―

【コメント】

　さて、今回は今年3月に公開された日本アニメである本作を行きつけのTSUTAYAにてレンタル。

　アニメはちょくちょく観るけどさほど詳しくない僕ですが、なんだかんだで日本アニメは安定しているし、「攻殻機動隊S,A,C」や「東のエデン」などで鳴らしてきた実力派・神山健治監督作品とのことなので、ちょいと興味が湧いて手に取った次第です。まあ知らなかったですけど。

　うむ、なるほど。まあ面白かったです。ぶっちゃけ特筆する部分はありませんが、安定の日本アニメ映画といった印象でしょうか。

　決してつまらないといったものではなく、リアルな青春ドラマの中にアニメならではのSFチックな展開を絡ませて、それをうまく交差させながら大団円にもっていく展開は、アニメ作家らしい作り方といっていいでしょう。とはいえ、子供よりの展開になり過ぎず、かといって小難しいヒューマンなドラマに偏り過ぎず、バランスよく仕上がっていると思いますね。まあ、それが逆に可も不可もなくといった印象になっちゃっていますけど。

　とはいうものの、リアルな部分と夢ファンタジーの部分が絡まってしまって、いったいどういった状況でこうなった？といった首をかしげるシーンもあり、監督の意図がイマイチ掴みきれなかったのが難点。悪くはないものの、ちょっと分かりづらかったかな。

　声優も何気に豪華で、今をときめく高畑充希や満島真之介から、ベテランの古田新太や江口洋介、大御所の高橋英樹まで、本職の声優に負けない声の演技でしたね。主人公の高畑充希はまさにおてんばっぽい感じをうまく表現してたと思います。

　そんなわけで、なんだかんで日本のアニメは安心して観られるなーと改めて感じた一本でした。