「T2 トレインスポッティング」　★★★～やっぱりハマれなかった続編

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

やっぱりハマれなかった続編★★★

（2017年／イギリス／117分／T2 Trainspotting）【　製作・監督　】ダニー・ボイル【　出演　】ユアン・マクレガーユエン・ブレムナージョニー・リー・ミラーロバート・カーライルケリー・マクドナルドアンジェラ・ネディヤルコーバアービン・ウェルシュ

【あらすじ】

　スコットランドのエディンバラ。

　かつて仲間を裏切り大金を持ち逃げしたマーク・レントンが、20年振りにエディンバラに舞い戻ってきた。

　パブを経営しながら細々と暮らすシック・ボーイと、家族に愛想を尽かされ絶望していたスパッド。かつての仲間と再会したレントンは、一旗揚げようと再びつるむことになる。

　しかし、同じ仲間で刑務所に服役中のベグビーは刑務所を脱走、レントンが帰ってきていると分かり、20年越しの恨みを晴らしに向かう―

【コメント】

　さて、今回はイギリス映画監督の重鎮ダニー・ボイルによる、1996年大ヒット映画『トレインスポッティング』20年振りの続編である本作をレンタル。

　前作の公開当時、日本でもけっこう話題になっていたのを憶えていますが、正直、僕はあまりピンとこなかった作品でもあります。そんな続編だったので内容も憶えておらず劇場での鑑賞はスルーしちゃいましたが、今回、復習の意味で（というか内容を思い出すため）本作と一緒に前作もDVDレンタルし、万全の態勢で鑑賞した次第です。

　うん、なるほどね。ハマれなかった前作と同様、やっぱり本作もハマれなかったです。前作を復習してまで挑んだんですけどね、このシリーズはどうにも僕とはあまり合わないようです。まあ、つまらなくはなかったですけど。

　前作の面白さって、要は90年代当時のイギリス（スコットランド？）で生きる自堕落な若者の生き様をスタイリッシュにテンポよく描いたところにあるわけで、今観てもシャレオツな雰囲気漂うダニー・ボイルの代表的な快作なわけですが、20年を経て作られた本作は、その年月を経たモタつきがあるものになってますね。登場人物も20年歳を取っているし、まだ20代だった前作のレントンたちの軽快さは失われて、オッサンらしいモタついた展開だったと感じます。まあ、これはきっと監督の意図する演出なんでしょう。

　とはいえ、20年を経てオッサン化してしまったレントンたちも、どこかまだスタイリッシュな雰囲気があって、大人になってもダメな奴らだな～と思いつつも、どこかカッコよさがにじみ出ている。日本人だったらこんなに様にならないですよ。

　ダメな人間は大人になってもダメ人間、だけどどこか憎めない奴ら。本作の魅力はそんなところにあるんでしょうな。