「ヴァレリアン千の惑星の救世主」　★★～リュック・ベッソンの自己満映画

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

リュック・ベッソンの自己満映画★★

【　出演　】デイン・デハーン
カーラ・デルビーニュ
クライブ・オーウェン
リアーナ
イーサン・ホーク
ハービー・ハンコック
クリス・ウー
ジョン・グッドマン
サム・スプリエル
ルトガー・ハウアー

【あらすじ】

　西暦2740年。

　宇宙の平和を守るため銀河をパトロールする連邦捜査官のヴァレリアンとローレリーヌは、ある日、長い年月を経て拡張を続けた“千の惑星の都市”としてしられるアルファ宇宙ステーションを訪れる。

　そこには、あらゆる種族が共存する場所だったが、その深部には邪悪な陰謀が渦巻いており、ヴァレリアンとローレリーヌは銀河の危機に直面する陰謀に巻き込まれていく―

【コメント】

　さて、早いもんで今年もあと1ヶ月。僕の2018年の映画鑑賞もいよいよ締めの時期に差し掛かってきたということで、ランキング策定のために今年中に観ておこうという映画を、行きつけのTSUTAYAで物色していたところ目に留まったのが本作。

　本作は、リュック・ベッソン監督久々の作品ということで、劇場公開時観に行こうか迷った作品でしたが、あまりにも話題にならなかったので僕もスルー。ここいらで観ておこうと手に取った次第です。

　いや～、大変ツマンネ。久々にこんな退屈なSF超大作観ましたわ。ぶっちゃけ、原作ファンであるリュック・ベッソン監督が自己満足で作ったようなスターウォーズの亜流中の亜流。ただただ長いだけで全くもって引き込まれない映画でしたね。この手の世界観作り過ぎなSF超大作は僕には合わないようです。

　とにかくCGを駆使したビジュアルはさすがに作り込んでいて、いかにも金掛かってますよ的な雰囲気は十分に伝わってくるし、観ていても確かに楽しい。アルファ宇宙ステーションや宇宙船、さまざまなユニークな宇宙人キャラや奇想天外な兵器の数々、いかにもなSF世界観の登場に枚挙にいとまがない。

　そういったいかにもな世界観で繰り広げられる連邦捜査官ヴァレリアンとローレリーヌのバディムービー的な展開となるわけですが、小道具に頼り過ぎたり、世界観を作り過ぎていたりするため、結局ストーリー自体がほとんど頭に入ってこない。展開も早いので、何がどうなっているのか分からないうちにいつの間にか銀河の危機にまで発展していく。詰め込みに詰め込んだ結果、137分というSF超大作になったにもかかわらず、観終わったあとの余韻は全くないため、ただ長いだけだったなという感想しか残らないわけです。

　2014年に観た『LUCY ルーシー』は哲学的でけっこう面白かったのにな～。リュック・ベッソンは王道のSFではなく、もっと手の込んだクセのある作品を作ってほしいと思う今日この頃です。それか、もうプロデュース側に回るとかね。