「ダンスウィズミー」 ★★★～三吉彩花の魅力が最大限に詰まった映画

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

三吉彩花の魅力が最大限に詰まった映画★★★

（2019年／日本／103分） 【　原作・脚本・監督　】矢口史靖

【　出演　】三吉彩花やしろ優chay三浦貴大ムロツヨシ宝田明

【あらすじ】

　大手企業に勤めるOLの静香は、キャリアウーマンを目指し日々の雑用をこなしていた。

　ある時、たまたま足を運んだ寂れた遊園地で、怪しげな催眠術師のマーチン上田に、ミュージカルスターのように歌い踊り出す体になる催眠をかけられる。

　それからというもの、日常にあふれる音楽に体が反応し、所かまわず歌い踊り出してしまうことに。術を解いてもらうため、マーチン上田の助手をしていた千絵とともに彼を探す旅に出る―

【コメント】

　さて、今回映画館で鑑賞したのは、『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』、『ハッピーフライト』でおなじみ、矢口史靖監督の待望の新作。初のミュージカル作品ということですな。

　矢口監督作品は毎度安定していて楽しいし、安心して観られる。正直、本作はキャスト的にパッとしない印象はあるものの、そんな安定した矢口印の作品なので外しはしないだろうと、『立川シネマシティ』に足を運んだ次第です。

　僕が大好きな『スウィングガールズ』からはや15年、本作もまごうことなき矢口印の作品で十分に楽しめる出来栄えであることは間違いない。しかし哀しいかな、この作風が古臭く感じてしまったのは僕だけだろうか。１０年ひと昔とはよく言ったもの、時流とマッチしなくなっていると感じてしまったのは残念なところです。とはいえ、ご都合主義的な展開が数多くありつつも、楽しく鑑賞できるのは確かです。

　本作の魅力は、なんといっても主演の三吉彩花！とにかく三吉彩花が最高に輝いている！彼女の魅力を最大限に引き出した、三吉彩花の作品と言っても過言ではないでしょう。

　三吉彩花については、2015年に日テレで放送されていた「エンジェル・ハート」というドラマで、その存在は認識してはいたんですが、これまであまりパッとしないイメージがあったんです。それが本作で華やかに花開いたという印象で、こんなにも華があって美形だったのかと改めて認識しましたね。ひらひらスカートから時折覗かせるパンチラにも躊躇なく、長身を生かした華麗なダンスを披露していて、彼女自身も相当気合が入った作品だったんだと思います。

　ストーリー的には、正直言ってご都合主義的な展開が多く、ミュージカルという割にさほど唄って踊るシーンもなく、特に最高潮であるはずのクライマックスのミュージカルシーンがあまりにも弱すぎ！しょっぱなのエントランスホールや職場でのダンスのほうがよっぽどゴージャスに見える。後半に行くにつれ唄踊りが減っていく不思議。ミュージカル映画なんだから、もっと詰め込んだほうが絶対に楽しいですよ。まあ、chayの結婚式乱入の下りは面白かったですが。