「Z Bull ゼット・ブル」 ★★★～掘り出し物のハイテンションバカ映画

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

掘り出し物のハイテンションバカ映画★★★

（2018年／アメリカ／89分／Office Uprising） 【　監督　】リン・オーディング

【　出演　】ブレントン・スウェイツジェーン・レヴィカラン・ソーニザカリー・リーヴァイ

【あらすじ】

　テキサスにある軍事大企業アモテック社。アモテック社のビルでは、マシンガンから地雷まで様々な兵器を製造しており、またテロ攻撃に備え、ロケット弾でもはじき返す防護壁とセキュリティシステムを装備していた。

　経理部で働く遅刻魔でリストラ候補の冴えないサラリーマンのデズモンド。ある日も遅刻して出社してきたところ、アモテック社が開発したエナジードリンク“ゾルト”を飲んだ社員たちが狂暴化し殺し合いを始めていた。

　デズモンドとゾルトを飲んでいなかった仲間たちは、なんとかビルから脱出しようとするが、社員たちの暴動によりセキュリティシステムが作動、ビルは完全に封鎖されてしまう―

【コメント】

　さて、今回行きつけのTSUTAYAにてもうひとつ手に取ったのが本作。「未体験ゾーンの映画たち2019」の一環で4月に劇場公開された作品ですな。

　明らかにエナジードリンク“レッドブル”をもじったタイトル。この手の作品は総じて箸にも棒にもかからないZ級ダメ映画と相場は決まっているんですが、TSUTAYAでちょっと推している雰囲気だし、無名の作品ながらレンタルの回転率よさそうな本作、個人的にも面白そうだなと惹かれるものもあって手に取ってみた次第です。

　いやはや、これはなかなかに面白かったですぞ！バカ展開ながらもハイテンションでパワーがある、良く出来たホラーコメディ映画だったと思います！

　いわゆるゾンビ物と同系統である本作、エナジードリンクを飲んだ人間が次々に凶暴化して人間たちをぶっ殺しまくる。そんなゾンビ化した人間たちをかき分けて、セキュリティ防備されているビルから脱出するというもので、フォーマットは王道も王道ではありますが、今や世界中で飲みまくられているエナジードリンクというアイテムを持ってきたのは面白いアイデア。さらに、日陰の立場で肩身の狭い経理部、体育会系なノリのやたらテンションが高い宣伝部や営業部、やたら華やかで女同士の確執が多い人事部、リストラを武器に部下にプレッシャーをかけまくるパワハラ上司、情報漏洩対策としてガチガチな建物のセキュリティという昨今の企業あるあるを取り入れる面白さ。しがないサラリーマンである僕は、とても身近に感じて終始ニヤニヤして楽しみましたね。

　クライマックスはちょっと盛り上がりに欠けた感じもありましたが、ゾンビ物のフォーマットをうまく生かしたアイデアはとても良かったと思います。

　個人的には、もっとバカに振り切って畳み掛けるような展開や、かつちょっとしたお涙頂戴な展開があればなお面白くなったと感じましたが、それでも本作は十分に笑えて楽しめる作品です。本作を所詮B級ホラーコメディとして埋もれさせてしまうのは実にもったいない。掘り出し物の一本として、ぜひとも多くの人たちに観てほしい作品です。

【2019年度 Myランキング】（8/24時点）

　本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

　祭りだわっしょい。

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：アベンジャーズエンドゲーム　★★★★☆

　　２位：ゴジラキング・オブ・モンスターズ　★★★★☆

　　３位：運び屋　★★★★

　　４位：翔んで埼玉　★★★★

　　５位：クリード炎の宿敵　★★★★

　　６位：特捜部Q カルテ番号64　★★★☆

　　７位：七つの会議　★★★☆

　　８位：映画賭ケグルイ　★★★☆