「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
スティーブン・キング
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【あらすじ】
静かな田舎町デリーで起こった惨劇から27年。街では再び連続児童失踪事件が発生、真相に立ち向かった“ルーザーズ・クラブ”のメンバー・マイクは、ペニーワイズが甦ったことを知り、かつての仲間たちをデリーに呼び戻す。
それぞれが大人になり生き疲れていたルーザーズたちは、ペニーワイズに立ち向かうことを決意するが、それを倒すためには、闇に葬り去ったそれぞれの記憶を呼び戻すことが必要だった―
【コメント】
2017年『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』から2年、待望のチャプター2がいよいよ公開ということで非常に楽しみにしていた本作。オーソドックスなホラーでありながらも、甘酸っぱい青春というドラマチックな展開も加味した見応えある作品だっただけに、完結編となる今回もどうなるのかと期待値は高かったですね。
とにもかくにもさっそく「立川シネマシティ」に足を運びましたが、なんと今回まさかの169分という、ホラー映画としては異例の長さということで少し気合を入れて鑑賞に挑んだ次第です。さすがの話題作、なかなかの入りでしたね。
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最高!とにかく最高のホラー映画でした!懸念していた169分の長尺なんてあっという間、ホラー部分はオーソドックスながらも、そこをドラマチックな展開で見事にカバーし、ひと時も目が離せない。そして、クライマックスに用意されている涙なしじゃ観られない展開と、生きる希望を与えてくれる爽やかな終わり方。近年のホラー映画じゃ大傑作だと思います!後ろの席に座ったヤローがビックリシーンの度にビクッとして椅子を蹴ってくるのには苦笑してしまいましたが。
しかしながら、どうもネット上では「全然怖くない」「ドラマ部分が長くて退屈」「ペニーワイズの最後のセリフ何なのよ」と辛辣な感想が相次いでいるようですが、どれもこれも本作のテーマを全然分かっていない的外れな感想が多すぎて参りますね。本作はホラーであってホラーにあらず、前作と同様、人それぞれが抱えるトラウマに勇気をもって立ち向かうドラマなんです。ペニーワイズという存在は、そのトラウマを狂気の怪物に擬人化したもので、それによって単なるドラマではなくホラーというエンターテイメント作品に消化しているわけです。ホラーは単なるアトラクション、ドラマにこそ真のテーマがあるのです。
ペニーワイズが最後に「大人になったなぁ」と言ったのは、ルーザーズたちが過去のトラウマに対し罵詈雑言を吐くことで「俺たちはもう負けないぞ!」という気迫を感じ取ったから。つまり、大人になるということは、過去のトラウマを忘れることではなく、トラウマと共存し強い精神を持つことなのだと本作は語っているのだと思います。その真意を分からず、肝試しのノリだけで本作を観ると肩透かしを食らうことになりますね。
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僕がなぜこれほどまでに本作に肩を持ち力説しているかというと、僕自身も若かりし頃“ルーザーズ”だったからに他なりません。決して充実してはいなかった学生時代、楽しかったことよりも辛かったことのほうが多かった若かりし時代。大人になって、そんな良い思い出も悪い思い出もひっくるめて受け入れられるようになった今の自分が、本作とうまくリンクしたんだと感じます。
本作には原作者であるスティーブン・キング御大本人もセリフ付きで登場しているし、11月にはあの『シャイニング』の続編である『ドクター・スリープ』も公開、来年早々には『ペット・セメタリー』も公開予定と、ここ最近、キング祭りが続いていますね。これまで散々な実写版を作られてきただけに、本作のように、やっと原作に忠実で丁寧な作りをした作品が増えつつあります。これを機に御大の原作、どんどん映画化していってほしいですね。
【2019年度 Myランキング】(11/3時点)
本作は、本年度のベスト10中4位(暫定)にランクイン。
ウェアラブルウォッチ買ったぞ!
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:ジョーカー ★★★★★
4位:IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 ★★★★☆
5位:運び屋 ★★★★
7位:翔んで埼玉 ★★★★
8位:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ★★★★
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:麻雀放浪記2020 ★☆
2位:天気の子 ★★
3位:貞子 ★★
<その他ランク外一覧>
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