「アナと雪の女王２」　★★☆～叙情的過ぎる

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

叙情的過ぎる★★☆

（2019年／アメリカ／103分／Frozen II） 【　監督　】クリス・バックジェニファー・リー

【　声の出演　】エディナ・メンゼル（松たか子）クリステン・ベル（神田沙也加）ジョシュ・ギャッド（武内駿輔）ジョナサン・グロフ（原慎一郎）エバン・レイチェル・ウッド（吉田羊）

【あらすじ】

　アレンデール王国を治めるアナと、触れるものすべてを凍らせてしまう力を持つ姉エルサ。二人は深い絆で結ばれ、平穏で幸せな日々を過ごしていた。

　ある日、エルサは自分にしか聞こえない不思議な“歌声”を耳にする。エルサとアナ、そしてクリストフら仲間たちは、その謎の歌声の秘密を解き明かす旅に出るのだが、それは、アレンデール王国の哀しい過去と海難事故で死んだ両親の謎、そしてエルサの魔法の力の秘密を知ることになる―

【コメント】

　レリゴーレリゴーが大ヒットした2014年『アナと雪の女王』から早5年、間にショートムービーを挟み、満を持しての続編が公開。とはいえ、正直ディズニーは食傷気味の僕にとって、この本作はスルーしようかと悩んでいたわけですが、年末も差し迫り、Myランキングを確定するにあたり、やっぱり観といたほうが良いかなと、遅ればせながら「立川シネマシティ」に足を運んだ次第。いや、公開当初激混みだったもんで間を置いていたというのもありますが。

　う～ん、正直微妙。なんか全体的に叙情的過ぎるというか、ディズニーならではのユーモアが無くなってますね、これ。本作に込めた深いテーマがあるんでしょうけど、文学的芸術的な路線に足を踏み入れすぎていて、老若男女が楽しめるファンタジーアニメではありませんね。

　今回は、何でも氷にしてしまう能力を持つエルサの力に焦点を当てていて、過去にあった２つの国の悲劇と両親の死の真相、そしてアナとエルサの姉妹のそれぞれの生き方を壮大に描いているわけですが、どうも考えすぎな感じがしたんですよね。ディズニーってテーマはありつつも、老若男女が楽しめるエンタメアニメとしてのスタンスは維持してるんですよね。前作もまたそれに則った作りだったからこそ大ヒットしたと思うんですが、本作は少々小難しい感じがしてどうもいただけない。作り手なりの訴えたいこと、語りたい物語というのは伝わってくるんですが、ちょいとスタンスを背伸びさせ過ぎてしまったのではないかなと。

　目玉である歌の数々も、レリゴーのインパクトには遠く及ばず。なんとか第２第３のレリゴーを！という気合は伺って取れるんですが、余計なところで余計な歌をぶち込んでいたり、やっぱり意識してヒットを狙うことは難しかったようです。