「新聞記者」　★★★～勇気ある社会派ドラマ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

勇気ある社会派ドラマ★★★

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（2019年／日本／113分） 【　監督　】藤井道人

【　出演　】シム・ウンギョン松坂桃李本田翼岡山天音郭智博長田成哉宮野陽名高橋努西岡尚美高橋和也田中哲司

【あらすじ】

　ある夜、東都新聞に匿名でFAXが届く。それは、大学新設計画に関する内閣の極秘情報だった。

　東都新聞の社会部で記者として働いている吉岡は、大学新設計画の真相を暴くため調査を開始する。

　その一方で、現政権の不都合なニュースをコントロールする内閣情報調査室で働く杉原は、新婚で子供が生まれる中、その業務と信念との間で葛藤していた。

　ある時、杉原はかつての上司・神崎と久々に再会し酒を酌み交わすが、その数日後、神崎はビルの屋上から飛び降り自殺を図る。

　吉岡と杉原は、事の真相を暴くため、政権の極秘情報に切り込んでいく―

【コメント】

　Myランキングも締めの時期に差し掛かり、見落とした映画をDVDで総ざらいしている状況ですが、とはいえいくら観ても観足りないので、ここはランキングに食い込みそうな作品を厳選してレンタルすることに。その中でチョイスしたのが本作です。

　劇場公開当時、劇場で観ようかどうか迷った作品、結局スルーしたものの、社会派サスペンスな雰囲気が面白そうだったので手に取った次第です。

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　切り込んだね～、かなり。フィクションとはいえ、かなり今の安倍政権に切り込んでますよ、これ。よく配給会社や映倫がOK出したな、大丈夫なのかこれ？と思ってしまうくらいタイムリーなネタ。逆に言ってしまえば、よくぞここまでやった！と称えるべき勇気ある社会派ドラマだったと思います。

　観ればわかりますが、フィクションではあるものの、本作はいわゆる“加計学園問題”そのまんま。政治経済に疎い僕ですらすぐ分かりました。今は“桜を見る会”問題で絶賛叩かれ中の安倍政権ですが、この加計学園＆森友学園の“モリカケ問題”も真相がハッキリしないまま今に至る状況。そんな記憶に新しいネタをすぐさま映画化して公開に至るまでにしたのは、作り手の勇気とチャレンジ精神に拍手といったところでしょう。

　とはいえ、新聞記者役の吉岡がなぜに韓国人？という疑問もあったし、そのシム・ウンギョンがどうしてもイモトに見えてしょうがなかったことは致し方ないことだったのだろうか。しかし、内調の杉原を演じた松坂桃李君が、社会派というこれまた新たな路線を切り開いたのは役者冥利に尽きるところ。桃李君はどんどん伸びていってほしいですね。

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