「悪人伝」　★★★～意外と普通のアクションもの

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

意外と普通のアクションもの★★★

（2020年／韓国／110分／The Gangster, The Cop, The Devil） 【　脚本・監督　】イ・ウォンテ【　出演　】

マ・ドンソク

キム・ムヨル

ユ・スンモク

キム・ユンソン

キム・ソンギュ

【あらすじ】

　韓国のとある街。そこでは、人がめった刺しにされ殺される事件が発生し、荒くれ刑事のチョンは、他の事件との類似性を指摘し無差別連続殺人であると確信する。

　極悪非道で知られるヤクザの組長チャン・ドンスは、とある夜、連続殺人犯にめった刺しにされるも、奇跡的に一命をとりとめる。ドンスは対立する組織の犯行と疑い、手下を使って犯人探しに乗り出す。

　そのドンスにチョンが接触、お互いの協力のもと犯人を捕らえるよう約束する。反目しあいながらも二人は犯人を追い詰めていく―

【コメント】

　さて、今回劇場で鑑賞したのは久々の韓国映画。最近、日本でも名が通り始めている関取系韓流スター、マ・ドンソク主演のバイオレンス・アクションということで、スプラッター満載エグさ満点に定評がある韓国産アクションならこりゃあ面白そうだ観るしかないだろうと「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

　あれ、ちょいと期待しすぎたかな。僕的には『新しき世界』や『アシュラ』、『悪女 AKUJO』といった陰湿でウェットで鮮血ほとばしるスプラッターなアクションを期待していたんですが、意外と普通のアクションものでしたかね。観ているだけで痛さを感じるようなエグい描写もあまりなく、韓国映画お得意のバイオレンスな表現をかなり抑えた、いたって普通のアクションだったと思います。まあそれはそれで楽しみましたけどね。

　お話し的には、凶暴なヤクザ組長と悪辣な刑事が反目しあいながらもタッグを組んで連続殺人鬼を追い詰めるといったバディムービーで、肉弾戦や銃撃戦、カーアクションといったアクションの見せ場は随所に用意されていて飽きない。冒頭のサンドバッグから血まみれの男が出てきたり、素手で前歯を抜いたりと、こりゃあ期待できるぞと思って観てたんですが、あとは韓国流のバディ・アクション的展開が最後まで続いてちょいと肩透かし。まあそれなりにアクションとしての見せ場は多いし、マ・ドンソクのヤクザ組長の貫禄ぶりはハマりにハマってるので、通常のアクションものとして鑑賞すれば楽しめるかと思います。