「新喜劇王」　★★☆～キレがなくなったチャウ・シンチー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

キレがなくなったチャウ・シンチー★★☆

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（2019年／香港・中国／90分／新喜劇之王 The New King of Comedy） 【　製作・脚本・監督　】チャウ・シンチー【　出演　】

エ・ジンウェン

ワン・バオチャン

チャン・チュエンダン

ジン・ルーヤン

チャン・チー

ユアン・シンツェ

【あらすじ】

　演技の勉強は熱心だが万年エキストラの売れない役者モン。親には厄介者扱いされるが、彼氏との同棲生活で満たされた日々を送っていた。

　ある時、かつてのスター俳優マー主演の超大作に端役として出演が決まるが、マーは落ちぶれ演技もヘタクソだった。しかし、モンとマーとの出会いが2人の人生を大きく変えていく―

【コメント】

　さて、今回行きつけのTSUTAYAでレンタルしたのは、2017年の『人魚姫』以来となる久々のチャウ・シンチー監督作品。いや～待ってましたよシンチーの新作。本作は、自身の1999年監督・主演作品『喜劇王』を女性版にリメイクしたもの。ジャッキー・チェンがワンカット登場しているので観た経緯がありますが、ぶっちゃけさほど面白かった記憶はありません。

　折しも新型コロナの混乱の中、小規模で劇場公開されていたため、劇場での鑑賞はスルーしてましたが、今般めでたくレンタル開始ということで、さっそく手に取った次第です。

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　うーん、ビミョー。どうにもスベりっぱなしだな～。どうしたチャウ・シンチー、笑いもストーリーもキレがないぞ。

　本作は、万年エキストラの三十路女性役者が、落ちぶれた俳優との出会いをきっかけにドタバタな展開を踏まえながら大女優になるまでを描いた、いわゆるサクセスストーリー。というか、サクセスした大女優の姿はラストもラストにしか登場せず、本編の大半はみすぼらしいエキストラとしてナンセンスなドタバタギャグが延々と繰り広げられる。ギャグがあまりにもナンセンス（というか80年代ギャグ）すぎて、終始スベっている感が否めず、それが延々と続くのでクどいったらありゃしない。サクセスまでの展開もなかなか先に進まず、ギャグばかりが投げつけられるので正直飽きてくる。

　ギャグの応酬が続いて食傷気味の中での後半のドラマチックな展開はいつものチャウ・シンチーらしいものになっていますが、今回はそのドラマ部分も弱い。これまでの作品ならここで結構泣けたんだけどね。今回は全体的にギャグもストーリーもキレてないのが残念。

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