「ヒックとドラゴン聖地への冒険」　★★★☆～不運な良作アニメ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

不運な良作アニメ★★★☆

（2019年／アメリカ／104分／How to Train Your Dragon: The Hidden World） 【　脚本・監督　】ディーン・デュボア【　原作　】クレシッダ・コーウェル【　声の出演　】

ジェイ・バルチェル（田谷隼）
アメリカ・フェレーラ（寿美菜子）
ケイト・ブランシェット（深見梨加）
F・マーリー・エイブラハム（松重豊）

【あらすじ】

　人間とドラゴンたちが共存する世界。

　ドラゴンハンターに捕らえられたドラゴンたちを次々と救出したバイキングのリーダー・ヒック。しかし、パーク島はドラゴンで溢れかえるという事態が起きてしまう。

　ヒックは、亡き父親ストイックから聞いたドラゴンの楽園を探し出し、ドラゴンたちをそこに帰してやろうと思い立つが、ドラゴンハンターのグリメルは、ドラゴンを兵器として使おうと、ヒックの相棒であるドラゴン・トゥースを捕まえようと画策する―

【コメント】

　未だ仕事の繁忙期が去らない10月初頭。こんな時は良い映画でも観て心を落ち着かせようと、行きつけのTSUTAYAで新作を物色、結果手に取ったのが本作です。

　2010年に公開された『ヒックとドラゴン』シリーズの第3作である本作、間の『ヒックとドラゴン2』が未見だったため、これを機会に本作と２を合わせてレンタルし鑑賞してみた次第です。

　いや～面白かったな～。というか、第1作も第2作もそうでしたが、さすがドリームワークス製作だけあってクオリティがハンパなく良い！ドラゴンにも愛着が湧く良いキャラクターを作っているし、ストーリーや展開も見入ってしまうほど。シリーズ通して、非常に完成度が高いアニメーションだと思います。これほどのクオリティを持ちながら、なぜ全く話題にならないのか。本作を含めこのシリーズ、本土アメリカでは数々の賞を受賞しているにもかかわらず本作も対して話題にならなかったし、第2作『ヒックとドラゴン2』に至っては劇場未公開のDVDスルーという酷な扱い。これほどまでに実績があるのに不運な良作アニメーションというほかない。

　第1作が、敵対していた人間ヒックとドラゴン・トゥースの友情を通し両社共存という選択をした世界。第2作は、ドラゴンを悪い方に使おうとする人間同士の戦い。そして本作では、共存のために別々の土地で暮らそうという別れの展開。3作通して観てもしっかりとしたテーマ性とエンタメ性があって、ピクサーアニメなんかには決して引けを取らないくらいのクオリティを誇ったアニメーションです。笑いあり感動の涙ありダイナミックなアクションあり、本シリーズが埋もれてしまうのは非常に惜しいと感じずにはいられません。

　なぜにこのシリーズが日本では話題にならなかったのかは定かではないですが、第2作が未公開となったときにファンたちが劇場公開を求め署名活動を行い、監督自身も署名したとのこと。この監督、日本のアニメ、特に宮崎駿監督に強く影響を受けたようです。そんな親日な監督さんのためにも、今後の活躍を温かい目で見守りたいところです。

【2020年度 Myランキング】（10/10時点）

　本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

　残業で筋トレできない！

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：1917 命をかけた伝令 ★★★★★

　　２位：ミッドサマー ★★★★

　　３位：透明人間 ★★★★

　　４位：TENET テネット ★★★★

　　５位：Fukushima 50 ★★★★

　　６位：パラサイト半地下の家族 ★★★☆

　　７位：イップ・マン完結 ★★★☆

　　８位：AI崩壊 ★★★☆