「ビルとテッドの時空旅行音楽で世界を救え！」　★★★～初心を忘れないキアヌは素敵

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

初心を忘れないキアヌは素敵★★★

（2020年／アメリカ／91分／Bill & Ted Face the Music） 【　監督　】ディーン・パリソット【　出演　】

キアヌ・リーブス

アレックス・ウィンター

クリステン・シャール

サマラ・ウィーヴィング

ブリジット・ランディ＝ペイン

ウィリアム・サドラー

アンソニー・キャリガン

エリン・ヘイズ

ジェイマ・メイズ

ホランド・テイラー

ジリアン・ベル

【あらすじ】

　かつてタイムマシンで大冒険を繰り広げたビルとテッド。音楽で世界を救うべく、ロックバンド”ワイルド・スタリオンズ”で活動し人気を誇るも、30年たった今は人気が凋落の一途をたどっていた。

　そんなある日、2人の前にまたもや未来から使者が現れ、あと77分25秒後に時空が歪み人類が滅亡すると告げられる。

　人類の滅亡を防ぐ方法はただ一つ。ビルとテッドの手で“世界を救う音楽”を完成させること。ビルとテッドはまた、タイムマシンでまたもや時空の冒険に出ることになる―

【コメント】

　2020年の鑑賞予定映画も残すところあと数本。その中で、これは劇場で観なくてはと思ったのが本作。映画ファンなら知っているであろう、キアヌ・リーブスの出世作「ビルとテッド」シリーズの実に29年ぶりとなる第3作目ということで、だいぶ前にシリーズは観ているんですが、正直どんな内容だったのか記憶が薄いものの、これは劇場で観なくてはと今回は新しく出来た「TOHOシネマズ立飛」まで足を運んだ次第です。

　いや～楽しい映画でしたね。荒唐無稽でドタバタなSFコメディ、しっちゃかめっちゃかでありながらもクライマックスの昇天具合がとても心地よい。何より、出世したキアヌ・リーブスが自分の原点に帰って本作に出演したところが素敵じゃあないですか。「マトリックス」シリーズや最近だと「ジョン・ウィック」シリーズで世界中に名を知らしめたアクターが、まだまだ売れない若造の時代に出演した作品にまた帰ってきてくれる。ファンにとってこれほど嬉しいことはないと思いますよ。

　本作は前作から30年後の設定で、前2作との繋がりがかなりあるため復習は必須。僕自身もかなりうろ覚えだったため「誰だったっけ？」というキャラも多々ありましたが、ストーリー自体は追えるので問題なく楽しめましたね。ビルとテッドが77分で世界を救う音楽を作らなくちゃいけないことで、タイムマシンを使って奔走するわけですが、そこに自分たちの娘も加わり、ジミ・ヘンドリックスやルイ・アームストロング、モーツァルトといった革命的音楽家をスカウトして音楽を作ろうとする。途中、殺人ロボットが登場して場を荒したり、前作で登場した死神も再度登場したりと、もうメチャクチャに詰め込みまくっている。死神がふてくされてベースをペンペン弾いたり、ビルとテッドにまたバンドやろうぜと誘われるところがなんともチャーミング。このてのドタバタ的笑いはいささか古臭いきらいはありますが、そういうところも含めて僕は本作を楽しみましたね。