「約束のネバーランド」　★★☆～レイのせいで台無し

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

レイのせいで台無し★★☆

（2020年／日本／118分） 【　監督　】平川雄一朗【　原作　】白井カイウ
出水ぽすか【　出演　】

浜辺美波
城桧吏
板垣李光人
渡辺直美
北川景子
松坂桃李
三田佳子

【あらすじ】

　緑豊かな大地にある孤児院“グレイス＝フィールドハウス”。そこで暮らしている年長者のエマ、レイ、ノーマンをはじめとした子どもたちは、母親代わりの優しいイザベラともに幸せな日々を過ごしていた。

　ある日、里親が見つかり孤児院を去ることになった子どもを見送ったエマとノーマンは、彼女が忘れていったぬいぐるみを届けようと、近づくことを固く禁じられていた門へ向かう。そこで二人は、無残に殺された子どもを発見、自分たちが“鬼”の食料として育てられていることを知る。

　事実を知ってしまったエマとノーマンは、レイとともに子どもたち全員と孤児院を脱出すべく計画に乗り出す―

【コメント】

　2020年の劇場鑑賞も残り少ない中、これはぜひとも劇場で観たい！と楽しみにしていたのが本作。ご存じジャンプの人気漫画の実写映画化です。

　僕はこの漫画、コロナ禍のステイホームの時にバナナマン設楽がオススメしていたのを見て知った口でして、アニメ版を先に観ていました。年端も満たない少年少女たちが繰り広げる究極の脱出劇。世の中は「鬼滅の刃」が社会現象になるくらいの人気ぶりですが、ぶっちゃけ僕は「鬼滅の刃」よりも「約束のネバーランド」のほうが好きです。

　兎にも角にも、主演の浜辺美波ちゃんのご雄姿も併せて拝見しようと、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

　ダメだ、ダメダメ～。鬼滅に対し約ネバの何とも雑な扱いよ。年齢設定がちょいと上がっているとはいえストーリー的には原作に忠実に進行しているので、作り手のヘンな作家性が反映されていない、いわゆる原作レ●プではないので、そこは問題なし。ママのイザベラ役の北川景子の存在感も良し、シスター・クローネ役の渡辺直美もユニークなキャラでハマり役。主要3人のキャラも、“たった一人を除いては”問題なかったと思います、たった一人を除いては。レイ、お前だよ・・・お前のせいで本作のすべてが台無しになっちまったんだよ。誰だ、レイにこいつキャスティングしたやつは。責任は重いぞ！

　一体誰だよのド素人は。いつものゴリ押しジャ●ーズか！？なんて思ってたら全然関係なかった。むしろ『万引き家族』という一昨年の超話題作で名演技していた子役のコじゃあないか。あんなに光った演技していたのに、本作における頭脳明晰・冷静沈着なレイの演技は本当に酷すぎる。何が酷いかって、とにかく演技がドヘタ過ぎ。セリフが棒読みも棒読み、活舌も悪いわ、感情がこもってないわで、本作のキャストの中での異物感がハンパない。エマとノーマンが企てる脱出計画の会話に入ってくるなって思っちゃうくらいドヘタもドヘタ。さすがに中盤あたりには慣れるかな～と期待もしたんですが、最後の最後まで素人同然の棒演技には慣れず、せっかくの良作がレイの演技だけで実写化失敗してしまいましたね。

　ストーリー的にはアニメ第1期を2時間弱でやるので、どうしても駆け足感は否めない。これは致し方ないとしても、やっぱりもっとメリハリというか、原作をただただ追うのではなくテーマ性や演技での深みにこだわるべきだったと思います。これじゃあ単なる人気漫画を実写化しました以外の何物でもない。残念ながら「鬼滅の刃」とは扱いが違いましたね。

　本作の出来が残念だったので、とりあえず来年のアニメ版第2期に期待します。

【2020年度 Myランキング】（12/20時点）

　本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

　長期休暇はステイホーム。

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：罪の声 ★★★★★

　　２位：1917 命をかけた伝令 ★★★★★

　　３位：薬の神じゃない！ ★★★★☆

　　４位：ミッドサマー ★★★★

　　５位：透明人間 ★★★★

　　６位：TENET テネット ★★★★

　　７位：Fukushima 50 ★★★★