「るろうに剣心最終章 The Beginning」　★★★～ズシッと重厚なるろ剣

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2021』の掲載にあたって」

ズシッと重厚なるろ剣★★★

（2021年／日本／137分） 【　脚本・監督　】大友啓史【　原作　】和月伸宏【　出演　】

佐藤健

有村架純

高橋一生

村上虹郎

安藤政信

大西信満

池内万作

藤本隆宏

和田聰宏

中村達也

荒木飛羽

窪田正孝

高杉亘

北村一輝

江口洋介

【あらすじ】

　黒船の来航から十数年後の幕末時代。日本は幕府と倒幕派の争いが続いていた。

　長州藩の志士で倒幕派の暗殺者“人斬り抜刀斎”こと緋村剣心は、倒幕の名のもとに幕府の人間たちを斬っていた。

　ある日、居酒屋で酔っ払いに絡まれていた雪代巴という女性と出会う。巴はいつしか討幕派の宿で働くようになり、巴と剣心は互いに心惹かれるようになる。

　しかし、巴には隠された真実があり、剣心は幕府に命を狙われる―

【コメント】

　さて、今回行きつけのTSUTAYAでレンタルしたのは、5月公開『るろうに剣心最終章 The Final』とセットで劇場公開された、ご存じ「るろ剣」の最終作となる本作。折しも、緊急事態宣言のあおりを喰らってしまったのは記憶に新しいところです。

　『The Final』は緊急事態宣言が一瞬解除されたこともあって劇場で鑑賞したんですが、もともとこのるろ剣に特段の思い入れが無いこともあり、本作は観ようかどうか迷った結果スルーしてしまった経緯があります。

　今般めでたくレンタルが開始されたということで、『The Final』だけ観るのもスッキリしないだろうということで、さっそく手に取った次第です。

　おお、なんかこれまでのるろ剣の雰囲気とは全然違いますな～。これまでの漫画チックな雰囲気（漫画原作ですが）からはガラッと変わり、ズシッと重厚な時代劇を観た感じですね。とにかくシリアスでドラマチック、緋村剣心という人物像を掘り下げた濃厚な作品でしたね。見応えがありました。

　タイトルの『The Beginning』のとおり、本作はるろ剣のエピソード0的な位置付けであり、いかにして緋村剣心という人物が形成されてきたかというパーソナルに踏み込んだ内容で、もちろんこれまでのカンフーアクションを彷彿とする殺陣の見どころはあるんですが、軸となるのは剣心と巴の愛のドラマであり、時代に飲み込まれてしまった哀しい物語なんです。なので、ユーモラスで手に汗握るアクション中心だったこれまでのシリーズとは一線を画したシリアスな趣は、また違うるろ剣を堪能出来て楽しめましたね。まさに堂々の完結といった作品に仕上がっていたと思います。