「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。
これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。
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【あらすじ】
過疎化が著しい孤島・猪狩島では、泉圭太が作る黒イチジクが高く評価されたことで全国的に注目が集まり、地方創生推進特別交付金5億円の支給がほぼ決まり、島の復興の兆しが見えていた。
しかしある日、小御坂睦雄という犯罪者が島に来たことで日常が一変、圭太と幼なじみの猟師・田辺純、新米警察官の守屋真一郎の3人は小御坂と小競り合いを起こし、小御坂を殺してしまう。
3人は島のために小御坂の死体を隠すこと決意するが、小御坂の足取りを追って警察がやってきたことで島に緊張が走る―
【コメント】
年度末作業の忙しい時期が始まり、1週間あくせく働いてホッと一息の週末。今回劇場で鑑賞したのは、あの「デスノート」シリーズで共演した藤原竜也&松山ケンイチの再タッグとなる本作です。
本作はお得意の漫画原作の実写映画化のようで、言わずもがな原作未読の僕ですが、前々からチラシや予告編を観ていてこれはちょっと面白そうだなーと目を付けていた作品です。
そんなわけで公開初日の金曜日、仕事もそこそこに切り上げ、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
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(C)筒井哲也/集英社 (C)2022映画「ノイズ」製作委員会
うーん、まあ悪くはなかったんですけどねー。いろいろと浅いなーというか、せっかくの題材がもったいないなーと感じましたね。原作読んでないんで何とも言えないんですが、本作の面白さって要は“死体隠し”じゃないスか。不慮の事故とはいえ人を死なせてしまった過ちを、いかにして隠し通すか。島民や追ってきた警察を以下に煙に巻くか。そんな中で、それぞれの登場人物の思惑が交錯するところが本作の醍醐味だと思うんです。なのに原作をただただなぞっただけなのか、“死体隠し”という行動にスリリングさをまったく感じないんですよね。
たった一体の死体をどこにどうやって島民や警察に見つからないように隠し通すか。警察のしつこいくらいの捜査で突き止めるも、そこに死体はなく。またもや突き止めるも、先手を打たれて移動済み、なかなか尻尾を掴むことができない。まさに「デスノート」なみの騙し合い尻尾の掴み合いの頭脳戦じゃないですか。しかも、そこに個人的な思惑、例えば支援金5億円ほしさ、愛する家族を守ること、積年の嫉妬や嘘をつけない正直者の葛藤などなどが複雑に絡み合ったドラマが展開する。そんな単純じゃない見えない人間関係があってこそのラストとなるので、面白くないわけがないんです。なのにいまいちその思惑の交錯が生かされてないどころか、肝心の死体隠し攻防戦も面白くない。クライマックスもあっさりもあっさり過ぎて。いろいろと浅さが目立って非常に勿体ない作品だったと思います。
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(C)筒井哲也/集英社 (C)2022映画「ノイズ」製作委員会
欲を言えば、地方の過疎化の問題や第1産業の衰退の問題、よそ者を寄せ付けない田舎ならではの閉鎖的なコミュニティなど、ありとあらゆる美味しそうなテーマが本作には隠されているんですよね。もっと陰湿でウェットな雰囲気で作ればメチャクチャ面白くなる題材だっただけに、本作は残念な出来だったかと。
とはいえ原作はどんな感じなんでしょう。ちょっと興味が湧いてきたので、折を見て読んでみようと思います。
【2022年度 Myランキング】(1/28時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
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