「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。
これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

【あらすじ】
人類を恐怖に陥れた巨大怪獣が、謎の光とともにある日突然死んだ。
国民は安堵に包まれるが、一方で政府は怪獣の死体処理に頭を悩ますことに。対応が遅れる中、死体は徐々に腐敗・膨張が進んでいき、街は悪臭に包まれる危険がある。
そこで、総理大臣直下の“特務”と呼ばれる組織が死体処理を任されるが、政治的思惑が交錯する中で現場は混乱するばかり。そんな中、奇想天外な奇想天外な死体処理作戦が始動する―
【コメント】
さて、今回劇場鑑賞したのは、豪華キャストによる日本が誇る特撮コメディである本作。前々からちょっと楽しみにしていた作品です。
巨大な怪獣が街を襲うという昔からある日本ならではの特撮設定。そこに盲点だった怪獣の死体処理という新たな視点で挑んだ本作は前々から期待値が高まっておりました。位置づけ的に『シン・ゴジラ』の後日談的パロディみたいなイメージを持っていて、これは面白そうだぞと、仕事帰りの金曜夜さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会
あ~こりゃダメだ。せっかくの斬新な視点を全く生かせてないですよこれ。全体的に漂うシュールなお笑いと、途中で目的が変わってしまうというテーマのすり替え。ラストは「これまでの2時間は一体何だったんだ」という総ツッコミな終わり方。これは苦情が出ても致し方なしの残念特撮映画でしたね。
シュールなお笑いに関しては別に良いんです。監督がTVドラマ「時効警察」の三木聡だし、特撮もののパロディ的な位置づけの映画なので、むしろコメディ路線に向かうのは納得できるんです。内閣としていったいどこが片付けの担当をするのか、業績を上げたい大臣たちの政治的思惑による内輪もめや、それに右往左往させられる現場の人間たち、外国からの横やりといった外交といった、まさに『シン・ゴジラ』をパロったような展開はまさにコメディだし、むしろ観る側もそういった部分を楽しみにしていたのではないだろうか。
ただ、そもそもの死体処理という主軸を途中で放棄してしまうのは如何なものかと思うんですね。ダムの決壊でもって大怪獣を海に押し流すという壮大なプロジェクトから、どういうわけか死体処理から腐敗の膨張をどうにかするというところに話がすり替わってしまい、結局そのままラストまで決死の“膨張食い止め作戦”で突っ走ってしまう。
じゃあ肝心の死体処理はどうなったのかと言えば、要所要所で伏線を張っていた、山田涼介演じるアラタが変身するいわゆるウルトラマン“みたいな存在”が登場し、怪獣を持って地球から去っていくという強引も強引な“あとしまつ”で解決。「いやいや、最初っからお前が持っていけば良かったんじゃね?」と誰もが感じたに違いないでしょう。
まあでもここらへんは、とっととスペシウム光線で怪獣倒せば終わりだろというツッコミに近いかもしれませんけどね。とはいえ、シナリオ途中でアイデアが思い浮かばなかったゆえのすり替えと思われても致し方ない内容であったのは残念で仕方がない。せっかくの面白い視点が実にもったいないと感じた作品ですね。
(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会
個人的には、余計なドラマ部分が挟まるのももどかしい感じがしましたかね~。山田と土屋と岳の三角関係とかどうでもよいものだったし、それで展開が止まってしまうのももったいない。
これだけの豪華キャストが集結した壮大な特撮パロディでありながら、うまく消化できなかったのは、ひとえにシナリオの甘さアイデアの少なさに起因すると思われます。とはいえ視点は抜群に良いし日本ならではの発想でもあると思うので、同じ題材で誰かリブートできないものかと感じる今日この頃です。
【2022年度 Myランキング】(2/4時点)
本作は、本年度のワースト3中1位(暫定)にランクイン。
日が長くなってきたな。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
2位:さがす ★★★★
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:大怪獣のあとしまつ ★★☆
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>

