「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。
これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

ケイト・ブランシェット
トニ・コレット
ウィレム・デフォー
リチャード・ジェンキンス
ルーニー・マーラ
ロン・パールマン
メアリー・スティーンバージェン
デビッド・ストラザーン
【あらすじ】
1939年。
流れ者のスタンは、とある街の寂れたカーニバル一座に潜り込み、そこで働かせてもらうことに。野心家のスタンは、そこで読心術の技を学び、男女の関係になったモリーとともに一座を離れる。
2年後、読心術で上流階級の人間相手に大成功を収めていたスタンとモリー。しかし、心理カウンセラーのリリスに仕掛けを見破られてしまう。
リリスはスタンに“霊視”を使って上流階級たちから金を騙し取る計画を提案、スタンはそれに乗り霊視を始めるが―
【コメント】
さて、今回劇場で鑑賞したのは、『パンズ・ラビリンス』や『シェイプ・オブ・ウォーター』といったダークファンタジーや『パシフィック・リム』といった日本ロボットアニメ全開のオタクぶりを発揮するギレルモ・デル・トロ監督の新作である本作を鑑賞。今年の米アカデミー賞でも作品賞にノミネートされた作品です。
本作は前々から予告編で観ていて、その予告編からはイマイチ内容が掴みきれなかったんですが、デル・トロ監督であれば外れることはないだろうと、「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
(C)2021 20th Century Studios. All rights reserved.
うーん、まあ悪くはなかったんですがね。本作はギレルモ・デル・トロ監督の新境地とも言うべきでしょうか、それなりに惹きつけるものではあったんですが、ちょっと長いッス。上映時間2時間半、決してサクッと観られる長さではないですが、それに耐えうる内容であったかと言えば、もっとそぎ落とすことができたんじゃあないかなと。ぶっちゃけ、ちょっと眠くなっちゃいましたね。
本作は、これまでのダークファンタジーやヲタク全開映画といったシロモノではなく、一人の男の成功と破滅を描いた、要するに詐欺師の半生を描いたサスペンスもので、デル・トロ監督お得意のSFやらファンタジーやらのテイストは皆無、まさに新境地といったところでしょう。野心溢れる流れ者の主人公が、寂れた街のサーカスで身につけた(というより盗み取った)読心術でもって上流階級の人間から金を巻き上げる。トリックを使った単なるメンタリズムの範疇だったのに、やがては降霊や霊視といったオカルティックな方向に行ってしまい、手品が詐欺へと変わっていく。世に蔓延る新興宗教や怪しいセミナーは、まさにこんなテクニックを使った金銭巻き上げシステムなんでしょうな。
とはいえ、予告で“獣人(ギーク)”をさりげなく推して、さもデル・トロ節が炸裂したダークファンタジーとミスリードさせようとした宣伝あたりを見ても、配給会社も本作の推し方に迷ったんじゃないかなと感じますね。獣人自体は登場するものの、物語に直接関係する存在ではないし(伏線ではある)、ダークファンタジーものではないどころか、大して大きな出来事が起きない、ただただ長いだけのドラマですから。長ぇなーと時計をチラチラと確認した観客も多かったんじゃないでしょうかね。
(C)2021 20th Century Studios. All rights reserved.
そんなわけで、待望のギレルモ・デル・トロ監督の新作、新境地への挑戦で更なる映像の幅を広げたものとなったかと思いますが、デル・トロ監督だったからこそOKとなった映画でもあったかと思います。もっと洗練させて見応えあるドラマを作ってほしいところ。
とはいえ、やっぱりデル・トロ監督ならお得意のダークなSFファンタジーを作ってほしいと思う今日この頃です。
【2022年度 Myランキング】(4/3時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
新年度スタート!
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
2位:さがす ★★★★
3位:ザ・バットマン ★★★★
7位:ナイル殺人事件 ★★★☆
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
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