「妖怪シェアハウス－白馬の王子様じゃないん怪－」　★★★☆～ドラマファンなので甘いです

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2022』の掲載にあたって」

ドラマファンなので甘いです★★★☆

小芝風花

松本まりか

毎熊克哉

池谷のぶえ

望月歩

豊田裕大

佐津川愛美

長井短

池田成志

大倉孝二

【あらすじ】

　作家を目指し、出版社で奮闘する毎日を送っている澪。彼女は、ぬらりひょん、お岩、酒呑童子、座敷童子という妖怪たちとシェアハウスしながら楽しく過ごしていた。

　ある日、澪は世間で流行しているAI恋人を楽しむアプリにハマってしまうが、仕事の取材先で出会ったイギリス育ちの天才数学者AITOがAI恋人と瓜二つ、たちまち恋に落ちてしまう。

　幸せな日々を過ごす澪だったが、それは実は新たなる妖怪の出現であり、古き妖怪たちを一掃するための計画であることを知る―

【コメント】

　コロナ禍で日本が絶賛大パニック中だった2020年夏。旧知の親友からLINEで面白いぞと紹介されたドラマが、テレビ朝日の土曜夜11時に放送されていた「妖怪シェアハウス」。不幸な女の子がひょんなことから妖怪と共同生活をするという、ゆるゆるなユーモアにあふれたホラーコメディドラマで、巷でひそかな人気を得ていたドラマです。事実、本ドラマはコメディでありながら社会問題をベースにしたストーリーが評価されてギャラクシー賞を受賞しているわけです。

　かくいう基本ドラマをあまり観ない僕も、あのゆるいコメディ感と、番長皿屋敷で有名なお菊さんや山姥の飛びぬけたキャラ設定にハマり、ひそかにドラマ2期を期待していたわけで、願いが通じたのかめでたく2022年に2期が放送、しかも映画化というビッグなオマケ付き。

　さすがに親友は映画化はどうなん？とは言っていて、正直僕もそこまで人気だったかね～なんて思っていましたが、そこはいちドラマファンとしてドラマも映画もありがたく鑑賞すべきだろうと、映画の公開を楽しみにしていました。

　そして公開日、さっそく鑑賞しに「立川シネマシティ」に足を運んだ次第ですが・・・残念ながら観客はほぼほぼおらず閑散とした劇場内。まあでも、そこは致し方ないかなと鑑賞しました。

　うむ、面白かったです。良くも悪くもテレビドラマのテンションの映画化ではありましたが、「妖怪シェアハウス」のファンとして十分に満足できる内容でした。いつもの愉快なユニークなキャラ達に加えて、クライマックスの小芝風花ちゃんの熱演、しかと見届けました。ドラマファンなので大甘に採点させていただきますよ。

　本作は、2期ドラマを通して大きな伏線を張っていた“妖怪の闇落ち”という設定の回収をする内容になっていて、要は2期ドラマの真の最終回という位置付け。なので、ドラマ観ていない人はなんのこっちゃ分からないでしょうし、1期に登場したアマビエとかお菊さんとか山姥なんかも登場するので、1期も観ていないと分からない仕様。まさに本作は「妖怪シェアハウス」を応援してくれた人たちだけのためのファンムービーなわけです。

　よもやテレビドラマを観たことない人が本作に足を運ぶことはないだろうとは思いますが、とはいえ、ギャラクシー賞を受賞した良いドラマであったにもかかわらず、劇場がガラガラと閑散な状態だったのはファンとしては哀しいところ。親友も映画は観ないと言ってたし、まあ正直、映画化決定のニュースの時点で完成度はなんとなく予測できてたしね。巷で話題になったとはいえ、観ていた人たちを劇場に引っ張ってくるためには、もっと何か違う魅力が必要だったような気がします。