「レイジング・ファイア」　★★★～追悼ベニー・チャン

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2022』の掲載にあたって」

追悼ベニー・チャン★★★

(C)Emperor Film Production Company Limited Tencent Pictures Culture Media Company Limited Super Bullet Pictures Limited ALL RIGHTS RESERVED （2021年／香港・中国／126分／怒火 Raging Fire） 【　製作・脚本・監督　】ベニー・チャン 【　出演　】

ドニー・イェン

ニコラス・ツェー

チン・ラン

【あらすじ】

　正義感あふれ部下からの人望も厚い警察官チョン。その正義感ゆえ、チョンのチームは麻薬組織の壊滅作戦から外されてしまう。その作戦中、警察は謎の仮面をかぶった集団に襲撃され多くの警察官が殺されてしまう。

　真相を究明しようと動いたチョンは、事件の黒幕が3年前に警察組織にはめられ投獄された元同僚ンゴウであることを知る。ンゴウは裏切られた警察とチョンに激しい恨みを持っていた。

　かつての仲間であり弟のような存在だったンゴウとチョンは激しい攻防を繰り広げる―

【コメント】

　行きつけのTSUTAYA閉店までカウントダウンが迫った今日この頃。新作の入荷も終了し、何を観ようかと物色していたところ目にとまったのが本作。

　本作は年末に劇場で公開されており、香港映画好きならおなじみドニー・イエンとニコラス・ツェーの二大スター主演によるアクションもの。かつ、香港映画でアクション撮らせれば右に出る者はいない？ベニー・チャン監督の遺作ということで、香港映画育ちの僕としては観ないわけにはいかないだろうと手に取った次第です。

　うむ、ド派手なアクションかつ骨太でドラマチックなストーリー。友情や裏切りといった懐かしの香港ノワールテイストもあって、見応えありましたね。ベニー・チャン監督の本領発揮といったところでしょう。惜しくも58歳という若さで癌により他界してしまったベニー・チャン監督の遺作、しかと見届けました。改めて追悼いたします。

　本作はとにかく香港ノワールの現代的再現という感じで非常に男臭く、正義感溢れるドニー・イエンも、警察の裏切りにより道を外してしまった敵役ニコラス・ツェーもとにかくカッコ良い。銃撃戦もド派手ならば、相変わらず二人の身体能力もキレキレ。僕の好きなカンフーバトル主体ではないですが、クライマックスの肉弾戦はやっぱり見どころ。2人の魅力を最大限に引き出すベニー・チャン監督の手腕は改めて素晴らしいと思います。

　往年の香港映画のテイストが薄れてしまっている中で、それを彷彿とさせる作品が観られたのは嬉しい限りですが、それを継承し続けた偉大な監督を亡くしてしまったのは残念でなりません。

　ベニー・チャン監督は我がヒーロー、ジャッキー・チェンとも映画を作っていて、それこそ『香港国際警察 THE NEW POLICE STORY』や『プロジェクトBB』といったドラマチックな佳作アクションでジャッキーの新たな魅力を引き出しているわけです。ここ最近のジャッキー作品がダメダメなだけに、最後にもう一作コラボしてほしかったな～と思うと残念でなりませんね。

【2022年度 Myランキング】（7/23時点）

　本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

　ちょっと太ってきたのでスイーツ控えます。

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：スパイダーマンノー・ウェイ・ホーム ★★★★☆

　　２位：トップガンマーヴェリック ★★★★☆

　　３位：シン・ウルトラマン ★★★★☆

　　４位：さがす ★★★★

　　５位：キングダム2 遥かなる大地へ ★★★★

　　６位：ザ・バットマン ★★★★

　　７位：ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス ★★★☆

　　８位：ウエスト・サイド・ストーリー ★★★☆