「ブレット・トレイン」　★★☆～バカ映画として観てもちょっととっ散らかり過ぎ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2022』の掲載にあたって」

バカ映画として観てもちょっととっ散らかり過ぎ★★☆Image may be NSFW.
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（2022年／アメリカ／126分／Bullet Train） 【　製作・監督　】デビッド・リーチ 【　原作　】伊坂幸太郎 【　出演　】

ブラッド・ピット

ジョーイ・キング

アーロン・テイラー＝ジョンソン

ブライアン・タイリー・ヘンリー

アンドリュー・小路

真田広之

マイケル・シャノン

サンドラ・ブロック

【あらすじ】

　日本の東京。

　久しぶりに仕事に復帰した殺し屋、通称“レディバグ”は、マリアの指示により東京発・京都行きの超高速列車でブリーフケースを盗み次の駅で降りるという簡単な任務に就く。

　レディバグはいとも簡単にブリーフケースを盗んだものの、彼の目の前に次から次へと殺し屋たちが現れ命を狙われる。

　列車から降りられず京都に向かうレディバグち超高速列車。この裏には犯罪組織のボス“ホワイト・デス”が暗躍していた―

【コメント】

　働き方改革として我が社でもテレワークなるものが始まって以来、月～金の５連勤出社が結構しんどいな～と感じている今日この頃。そんな５連勤を何とかこなしホッと一息の週末で、今回楽しみにしていた映画化本作。

　なんと、日本の作家・伊坂幸太郎原作によるハリウッド作品ということで、監督が『デッドプール2』のデビッド・リーチ、そして主演がブラッド・ピットとなれば俄然期待に心も踊るもの。予告ではなんともトンデモな日本の光景が広がっていて一抹の不安は感じるものの、やっぱりこれは観ないわけにはいかないぞと、さっそくレイトの「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。さすがの話題作、レイトながら劇場は観客で埋まっておりましたね。

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　いや～これは・・・どうなんだ・・・？しっちゃかめっちゃかでぶっ飛んでいるアクション映画ではあるし、むしろ監督含め製作側はそれを目指して作ったんだとは思う。いわゆる一種のバカ映画ではあるが、だとしてもちょいとストーリーがとっ散らかり過ぎじゃあねえかい、と。バカ映画の視点で鑑賞すべきか、はたまた展開の妙を堪能すべきなのか、そこらへんがちょっとあやふやだったので、とてもゴージャスなエンタメ作品だとは思うが、正直ちょっと僕は微妙だったかな～。

　原作未読なんで、これまで観てきた一連の伊坂幸太郎の映画化作品を思い起こした感想になるんですが、伊坂幸太郎といえば『ゴールデンスランバー』や『アヒルと鴨のコインロッカー』、『重力ピエロ』、『フィッシュストーリー』といった、ひねりにひねった緻密なストーリー展開の妙が魅力の作品だと思っていて、本作でもそれが堪能できるものだと思っていました。新幹線（本作では弾丸列車）に乗ってブリーフケースを奪って次の駅で降りる超簡単な任務のはずが、次から次へと殺し屋が乗ってきて命を狙われる、このブリーフケースの中身は一体何なんだ？裏で一体何が動いているんだ？といった謎が主軸にあって、ストーリーが進むにつれその真相が徐々に氷塊していくというところが本作の最大の見どころだと勝手に思ってたわけです。

　このような緻密で繊細なストーリーを、果たして大味なハリウッドのエンタメでどう料理するのか？というのもある種の見どころと思ってたんですが、結局のところ殺し屋VS殺し屋の肉弾戦や暴走する新幹線で繰り広げられるド派手なアクションに終始してしまい、肝心の真相はクライマックスで駆け足で種明かしして終わりという、なんとも雑な扱い。ユーモアあふれる会話もストーリーの邪魔にしかなっておらず、なんのこっちゃよく分からない映画になっちゃってて非常に残念でしたね。

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