「七人の秘書 THE MOVIE」　★★☆～キャスト以外すべて三流

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2022』の掲載にあたって」

キャスト以外すべて三流★★☆

木村文乃

広瀬アリス

菜々緒

シム・ウンギョン

大島優子

室井滋

江口洋介

玉木宏

濱田岳

吉瀬美智子

笑福亭鶴瓶

若林豪

【あらすじ】

　表向きは企業の秘書、裏では弱者を救うべくあらゆる権力に立ち向かう影の秘書軍団。彼女たちが集うラーメン屋“萬”では、社会的弱者たちの助けの仕事を請け負っていた。

　ある時、メンバーの七菜が信州の大財閥“九十九ファミリー”の次男・九十九二郎と結婚することになり、同じメンバーの千代が披露宴に出席する。しかし、披露宴当日、九十九ファミリーが経営する牧場で大火災が発生、火災を引き起こしたとして九十九二郎が容疑者に。

　信州一帯は“信州のドン”と呼ばれる九十九道山が牛耳っており、知事や警察をも囲い込み私腹を肥やしていた。

　秘書たちは、牧場で働く住民たちを救うべく、九十九家の屋敷に潜入するが、予想を超える権力を持つ道山に秘書たちは命を狙われることになる―

【コメント】

　今年の10月は観たい映画が無い！

　毎週末は劇場で映画鑑賞というのが僕の楽しみの一つなんですが、10月のラインナップを眺めるかぎり、これは！という作品が見当たらないのです。コロナ禍でもないのに、なぜにこんな状態に・・・

　とにもかくにもせっかくの三連休、なんか映画館で観たいぜと、前々から劇場の予告編で気になっていた本作を鑑賞。

　本作はコロナ禍真っ只中の2020年10月にテレビ朝日で放送されていたTVドラマの映画化で、視聴率がとてもよろしかったのが功を奏したようで、待望の映画化ということに相成ったわけです。あの時間帯は「ドクターX」の時間帯でもあるので、テレ朝の強い時間帯であるようです、

　とはいうものの、普段あまりTVドラマは観ない僕なので、ドラマ版の「七人の秘書」は1回も視聴したことがありません。なのになぜ本作を劇場で観ようと思ったのかというと、予告編が凄く面白そうだったから。それだけです。キャストも豪華だし、悪役・笑福亭鶴瓶のキャラもハマっていて、ミステリアスかつ勧善懲悪なテイストがとてもそそったので、観たい映画も特にないし、これはちょっと観てみるかと「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

　うーん、微妙。とりあえずドラマ観てなくても話にはついていけたし、ドラマファンなら粟田口とかいう悪徳政治家なんかリンクするところもあるので、飽きずに最後までま観られましたが、出来としては微妙です。なんというか、典型的なTVドラマのスケールを超えることができなかった映画化、スペシャルドラマのTV放送でよかったんじゃね？ってレベルの作品でしたね。木村文乃に広瀬アリス、菜々緒に大島優子、江口洋介に吉瀬美智子に笑福亭鶴瓶、おまけに玉木宏や濱田岳という、ひとりひとりが主役を張れるレベルの役者たちが揃っている豪華キャストにもかかわらず、シナリオも展開も演出も、すべてがTVドラマ並みに安っぽい。いや、TVドラマだとしてもツッコミどころは満載だろう。

　シナリオ自体は決して悪くないと思うんです。信州のドンという巨大な権力を持つ人間に立ち向かう名も無き秘書たちの勧善懲悪は観ててスカッとするし、僻地で繰り広げられる殺人事件から始まるミステリーな要素や、主人公のほのかな恋愛模様なんかも詰まっていて、作りようによってはドラマ枠を遥かに超えるミステリー大作に仕上がっていたに違いない。つまりは、キャスト以外すべてが三流の作品でした、ということになります。

　ドラマ版を一度も見たことがない僕が観たところだと、木村文乃や広瀬アリス、菜々緒、大島優子といったキレイどころをまとめて堪能できたということだけでも良しとできます。あと、笑福亭鶴瓶の憎たらしい極悪非道な悪代官ぶりは見もの。この人は改めて役者としても凄みを感じさせますね。

　それにしても、何度見てもシム・ウンギョンがイモトアヤコにしか見えないっすね～。最初、イモトなんで日本語カタコトなの？って思ってたら違かった。これから彼女は日本でも活動していくんでしょうか。まあでも良い味出していたし頑張ってほしいですね。