「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。
これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

(C)2023映画「イチケイのカラス」製作委員会
【あらすじ】
東京地方裁判所の第一刑事部、通称“イチケイ”から判事補・入間みちおが去って2年。
入間みちおは岡山県瀬戸内の長閑な町に異動、一方、特例判事補だった坂間千鶴は、他職経験制度で弁護士に転身し日尾美町に事務所を開いていた。
入間は、防衛大臣に対する傷害事件を担当したところ、背後にイージス艦の衝突事故が関係していることに気づき、調査を開始する。一本、千鶴は、町を支える大企業シキハマ株式会社の闇に入り込んでいく。
全く違う二つの事件が、真相に近づくうちに交わっていく―
【コメント】
さて、2023年2作目。当初観ようと思っていた作品の時間と自分のスケジュールが合わず、やむなく劇場の予告編で散々拝見していた本作を鑑賞。
本作は漫画が原作で、2021年にフジテレビの連続ドラマとして放送しなかなかの視聴率を取ったシリーズの劇場版。しかしながら、もともとTVドラマをあまり観ない僕は、御多分に漏れず本作のTVドラマを一話たりとも拝見したことがありません。TVドラマ観てないのに劇場版を鑑賞とか本末転倒もいいところだと僕も思いましたが、他に観たい作品もないし、ぶっちゃけ本作にちょっと興味もあったので、「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
(C)浅見理都/講談社
(C)2023映画「イチケイのカラス」製作委員会
ほほう、これはなかなかに見応えがありましたぞ。
レギュラーのキャラ設定とか人物関係とか、TVドラマ観てないと分からない部分はさておき、TVドラマを観ていなくてもストーリーにしっかり入り込め、かつミステリーとしてよく出来ていた作品だったと思います。細かい部分で強引なところもなかったわけではないですが、結末もなかなかに考えさせられるもので、TVドラマ未見でも十分に楽しめるミステリーでしたね。
この手のTVドラマの劇場版ってのは、ドラマファンだけしか分からない内容だったり、ドラマの最終回から続くものだったりと、得てしてファンムービーとなる形が多いんですが、本作は一本の映画作品として単独でも楽しむことができるし、劇場版としてのスケールに相応しい社内的なテーマを意識した作りになっていたのはとても良かったと思いますね。TVドラマのテンションを意識した前半のユーモラスな展開に対し、後半は終始シリアスで深いテーマを持っていて、単なるTVドラマの映画化じゃないぞという作り手の意気込みを感じました。全く関係ない事件が次第に繋がっていく展開はやっぱり面白く、それこそ冒頭の“桃”の事件が回収されたのは観てて楽しかったですね。やや出来過ぎな気もしましたが。変革し続ける世の動向に反し、ふるさとを愛し町を守るために手を汚す人たちの苦しみや辛さが何とも切ないです。
惜しむらくは、もっと演出にこだわればもっと見応えのある作品になったんじゃないかなと思わずにはいられません。役者も実力派揃いだったし、それこそ、ガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』に匹敵するくらいのポテンシャルを持ち合わせていたと思っただけに、ちょっともったいないなーと感じましたね。
(C)浅見理都/講談社
(C)2023映画「イチケイのカラス」製作委員会
坂間千鶴役を演じている黒木華、個人的にはあまり魅力を感じない女優(失礼)でしたが、本作のはつらつとした彼女を観て、ちょっと可愛らしいな~と感じたのは僕だけでしょうか。もうすでに様々な作品で活躍している女優ですが、本作をきっかけに、個人的にこれからちょっと黒木華の活躍が気になることになるでしょう。
さすがに竹野内豊は歳相応になっちゃいましたね、相変わらずイケメンですが。
【2023年度 Myランキング】(1/15時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
2週間ぶりの筋トレで腰が痛い。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:非常宣言 ★★★☆
2位:
3位:
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
映画 イチケイのカラス

