「ミッドナイト・マーダー・ライブ」★★★～伏線無しのオチ、あっけにとられる説

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2023』の掲載にあたって」

伏線無しのオチ、あっけにとられる説★★★

（2022年／アメリカ／104分／On The Line） 【　製作・脚本・監督　】ロムアルド・ブーランジェ 【　出演　】メル・ギブソンウィリアム・モーズリー

アリア・セロール・オニール

ナディア・ファレス

エンリケ・アルセ

ポール・スペラ

ケビン・ディロン

【あらすじ】

　過激な発言で人気のベテランDJ・エルビス。

　ある夜、エルビスが担当する深夜ラジオ番組で、リスナーの悩み事を聞く人気コーナー“On The Line”に、ゲイリーという男から電話がかかってくる。男はエルビスのせいで恋人が自殺したと話し、復讐のため彼の妻子を監禁したと告げる。

　即座に警察に連絡し自宅に向かわせるが、自宅は無人。どこかに連れ去られた後だった。

　エルビスは男と会話しながら妻子を救おうとするが、事件はさらに過激な方向へとエスカレートしていく―

【コメント】

　さて、ぼちぼち新作映画が円盤化されてきている今日この頃、今回は映画ファンならご存じ？のB級映画の祭典「未体験ゾーンの映画たち2023」で公開された一本をTSUTAYA DISCASにてお取り寄せ。

　主演は、映画ファンなら知らぬ者はいないであろうメル・ギブソン御大の最新作。とはいえ、役者としても監督としても華々しい経歴を持つアクターなのに、昨今はB級モノばっかり出演してますなー。

　とにもかくにも、未体験ゾーンの作品群の中では特に観たいと思っていた作品。U-NEXTでは見逃してしまったので、今般レンタルしてみた次第です。

　いや、面白かった。面白かったですよ。B級サスペンスとはいえ、退屈させないサスペンスフルな展開と、メル・ギブソン御大の確かな演技力のおかげでギュッと締まった映画に仕上がっています。未体験ゾーンじゃなく単体でも十分にイケる作品だと思いましたね。

　とはいえ、このオチは賛否分かれるでしょうね。今までの緊張感は一体何だったんだ？このオチ反則じゃね？と思う人も少なくないと思います。

　そんな本作の感想は以下の3つ。

１．伏線無しのオチ、あっけにとられる説

２．刺激を求めすぎている世の中の風刺？

３．いぶし銀メル・ギブソンカッコ良い

　ラジオ局というクローズドな建物の中で、ラジオ生放送をしながら犯人と対峙するという展開は、似た感じの作品は多々あれど観ていて面白いし、飽きさせない工夫もしているので最後まで観ていられます。

　ただほんと、あのオチを予測できる人いないんじゃないでしょうか。あのオチに通じる伏線が全くないんですもん。なるほど、そういうことだったのか！なんて部分が全くないのであっけにとられます。「水曜日のダウンタウン」ので誰かが持ってきた説なんじゃね？とまで思っちゃいましたね。

　まあでも、そこはあえて深読みしてみると、SNSが世界的に普及している昨今において、より再生数を稼ぎバズらせたいがために、行き過ぎた過激な動画を撮ったりしている人たちに対する風刺とも感じますね。そんなことしても笑えねーよと。ただ、そういったものを好んで観る人たちがいるのもまた事実なわけで。人間、刺激を求めるがあまりに歯止めが効かなくなってしまうもんなんですね。