ダーティーでアダルト、ルパンのあるべき姿
★★★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(1978年/日本/102分)
『ルパン三世 ルパンVS複製人間 【Blu-ray】Image may be NSFW.
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【 監督 】
吉川惣司
【 原作 】
モンキー・パンチ
【 声の出演 】
山田康雄
小林清志
井上真樹夫
増山江威子
納谷悟朗
西村晃
【あらすじ】
怪盗ルパンの孫であり世界随一の大泥棒であるルパン三世とその相棒・次元。
二人は不二子の依頼により、エジプトのピラミッドから“賢者の石”を盗み出す。
それは人間に永遠の生命を与えると伝えられるものだったが、
不二子に偽物を掴ませたルパンたちは、謎の集団から命を狙われ始める。
不二子の背後にいた者は、世界の3分の1の富を支配する大富豪マモー。
マモーは、長年不老不死の研究を重ねてきた人物であり、
太古の時代からあらゆる歴史に干渉してきた1万年生き続けた人物だった―
【コメント】
もはや「ルパン三世」について改めて紹介する必要はないだろう。
サザエさんドラえもんと肩を並べるくらい誰もが知っているアニメだ。
なので、ここはあえて劇場版に絞って語ってみる。
なにをかくそう、本作『ルパンVS複製人間』は、
ガキンチョの頃オヤジに連れられて映画館で観た記憶がある。
もう30年以上前だな。
当時は『ルパンVS複製人間』なんてサブタイはなく
シンプルに『ルパン三世』というタイトルだった。
個人的な意見だが、
僕は『ルパンVS複製人間』というサブタイが嫌いだ!
いらねーじゃん、別に。『ルパン三世』だけでいいじゃん。
他の作品と混同するからしょうがないとしても、だ。
取ってつけすぎ安直過ぎねーか、と。もっとひねろよ、と。
サブタイについては置いといて。
ガキンチョの頃に観た本作は、なかなか刺激的だった。
テレビでよく観ていたコミカルな動きのルパンと違い、
ダダーティーでアダルトな空気を醸し出していたからだ。
なんたって不二子ちゃんのヌードが随所に出てくるし、
ラストは不二子ちゃんのビーチクポチッ、で終わるわけだから、
子供心に「あ、子供が観ちゃいけないかも」とまで感じた。
まあもしかしたら一番気まずかったのは、
わざわざ映画館に連れてったオヤジだったかも知れんがね。
とまあ、不二子ちゃんのおっぱいが印象的だったのが子供の頃だが、
大人になって観直してると、改めて本作が傑作であることが分かる。
劇場版といえば『カリオストロの城』をナンバー1に挙げる人が多いが、
僕的には断然本作。
本作はシリーズ中、いや、アニメ映画の中でも屈指の名作だと僕は思う。
いや、カリオストロも面白いけどね。
よく出来てるけどちょっと子供向けなのよね。
本作のルパンはハードボイルドだし、エロいしカッコいい。
オカルトを決して信じない現実的なスタイルを崩さず
男くさくてスタイリッシュだ。
それは次元も五右衛門も不二子も同じで、ひたすらアダルトだ。
宿敵マモーも、あの不気味さ胡散臭さといったらない。
「仮装パーテー」って言っちゃうしw
ラストの燃えて無くなる姿もガキの頃はちょっとしたトラウマだった。
巨大脳みそも実にシュールで衝撃的だ。
当時あまり浸透していなかったクローン技術をネタにするのも凄いし、
当時から戦争好きなアメリカ様に対する風刺も込められているしね。
とにかく、本作は何度観ても面白いわけだ。
ルパン三世って、テレビの影響でどうしても
子供たちのヒーロー的なイメージがあるが、
やっぱり“天下の大泥棒”の異名を持つくらいなわけだから
ダーティーでハードボイルドなスタイルのほうが
むしろルパン三世としてのあるべき姿なのではないかなと思う。
たまにはそんなルパンも観てみたいもんだ。
【ら行一覧】
[ら]
ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ ★★★★
ラスト・ソルジャー ★★★
ラブリーボーン ★★
[り]
リアル鬼ごっこ2 ★★
[リミット] ★★★☆
[る]
ルパン三世 ルパンVS複製人間 ★★★★★
[れ]
レイン・オブ・アサシン ★★★
[ろ]
ロシアン・ルーレット ★★★☆