「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。
これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

【あらすじ】
“劇団水滸”に所属する男女6人とフリーで活動する1人の7人の若き役者は、新作舞台の主演の座を争う最終オーディションのため、山荘で4日間の合宿をすることになる。
オーディションは“大雪で閉ざされた山荘”という架空のシチュエーションで、山荘内には監視カメラが仕掛けられており、4日間の動向で主演が決まるというものだった。
しかし、そこで殺害の痕跡とともに1人また1人と参加者が消えていき、彼らは互いに疑心暗鬼に陥っていく。
残った参加者たちは真相を探っていくが、そこには劇団の隠された過去があった―
【コメント】
さて、今回劇場にて鑑賞したのは、ご存じ東野圭吾先生原作によるミステリーの映画化である本作。
相変わらず原作未読ながらも、東野圭吾先生原作ならばまずハズレはないだろうと目を付けていた本作ですが、なんかTOHOシネマズでしか公開されていない?劇場館数が少ないのかなーと、近場のTOHOシネマズの時間帯をいろいろと調べて、結果、久々の「TOHOシネマズ府中」に足を運んだ次第です。
(C)2024映画「ある閉ざされた雪の山荘で」製作委員会 (C)東野圭吾/講談社
うん、良かった。面白かったッス。山奥の山荘で起こるクローズドな舞台で繰り広げられるミステリー。本作にも登場したアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」が間違いなくモチーフとなっていると思いますが、そこを上手くアレンジしつつ謎が謎を呼ぶミステリーに仕上がっていて、全体的に小粒な印象ではあるものの、さすが東野圭吾先生原作だけあって良く出来ているので楽しく鑑賞できました。
そんな僕が感じた本作の感想は以下の3つです。
1.小粒だけどよく出来ている
2.東野圭吾原作だもん面白いよ
3.だけどミステリーの映像的インパクトは弱い
全体的に静かにストーリーが展開していくし、前半は特段の大きな事件は起きないのでやや助長気味で退屈な感じもします。殺人事件“らしき”ことも発生するけど肝心の死体はない。ミステリーのひとつの見どころをバッサリと無くしてしまったところも、イマイチ映像的なインパクトがない。まあ、結果的にそこが本作の核心となる部分なわけですが、映像にしちゃうとインパクト不足感は否めないところはありますね。面白いことに間違いはないですが、全体的にちょっと地味めなミステリーだったかなと思います。
とはいえ、探偵的立ち位置だった主役の重岡大毅君の飄々としたキャラはとても良かったし、岡山天音や堀田真由の憎たらしいキャラも良き。間宮祥太朗は相変わらず男前だし、何より森川葵が群を抜いて良かった。このコ凄いよなーいろんな役柄使い分けられるしなりきるし。
今を輝く若手が集結していて、観ていてフレッシュでとても良かったですね。
(C)2024映画「ある閉ざされた雪の山荘で」製作委員会 (C)東野圭吾/講談社
ただやっぱり種明かしをされてしまうと、なるほどそういうことだったのかーと感心しつつそこで終わってしまうところは惜しいところ。種明かしをしてもなおもう一度観たくなる作品とはいかなかったかなと。
ネタバレはしませんが、本作の根底にあるのはやっぱり嫉妬や憎しみといった人間の感情。なんであいつが、なんでこいつばっかり、と演劇の業界なら色々とありそうな嫉妬の世界観をもっと深掘りしたほうが面白かったと思います。
ミステリーはもっと感情を揺さぶる人間ドラマがあってこそ名作になると思いますね。
【2024年度 Myランキング】(1/20時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
年度末恒例の仕事がまた大量に舞い込んできた!
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:カラオケ行こ! ★★★☆
2位:
3位:
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
エクスペンダブルズ ニューブラッドコンクリート・ユートピアアクアマン 失われた王国ある閉ざされた雪の山荘で

