「ゴールデンカムイ」★★★☆～物語は序盤も序盤、シリーズ化に期待

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2024』の掲載にあたって」

物語は序盤も序盤、シリーズ化に期待★★★☆

（2024年／日本／128分） 【　監督　】久保茂昭 【　原作　】野田サトル 【　出演　】山崎賢人山田杏奈

眞栄田郷敦

工藤阿須加

柳俊太郎

泉澤祐希

矢本悠馬

大谷亮平

勝矢

高畑充希

木場勝己

マキタスポーツ

井浦新

玉木宏

舘ひろし

【あらすじ】

　日露戦争後の明治末期、北海道。

　戦場で“不死身の杉元”と恐れられていた杉元佐一は、今は北海道の山奥で砂金採りに明け暮れていた。そんなある日、杉元はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った“のっぺら坊”と呼ばれる男は、捕まる直前に金塊を隠し、その在処を暗号にした刺青を24人の囚人の身体に彫って彼らを脱獄させたという。

　金塊を見つけ出すべく動き始めた杉元は、野生のヒグマに襲われたところをアイヌの少女アシリパに救われる。彼女は金塊を奪った男に父親を殺されており、その仇を討つため杉元と行動をともにすることに。

　一方、その金塊を狙って大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉と、戊辰戦争で戦死したとされていた新選組副長・土方歳三も動き出していた―

【コメント】

　今般劇場にて鑑賞した作品は、週刊ヤングジャンプで連載されていた大人気漫画の実写映画化である本作。2022年に連載は終了しニュースにもなっていましたね。僕はこの「ゴールデンカムイ」についてはアニメで全シーズン鑑賞済み、北海道を舞台としたスリリングなアクションと当時のアイヌ文化の知識、そしてたまにある下ネタやギャグに魅了されていました。

　そんな中の実写化ということですが、当初この実写化については賛否が溢れていて、特に主人公である“不死身の杉元”が山﨑賢人というキャスティングに「いやいや山﨑賢人は違うだろー」と感じていまして、期待半分不安半分といったところでした。

　ともあれ待望の劇場公開、どんな出来かとさっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第、さすがの人気漫画、劇場はなかなかの入りでしたね。

　いや～面白かった！良かったです。物語自体はアニメでだいたい知っているので、あとはどこまで描かれているのかやキャラの再現度、何より原作の味を損なってないかというところが見どころとなると思いますが、原作をヘンに改変せず忠実に描いているし、アイヌ文化（特に食文化）もしっかり描かれている。何よりキャラクターたちの再現力は素晴らしいの一言。原作へのリスペクトが感じられる良い実写化だったと思います。

　そんな僕が感じた本作の感想は以下の3つです。

１．キャラ再現力は素晴らしい

２．アシリパちゃんが可愛い

３．物語は序盤も序盤、シリーズ化に期待

　考えてみれば、あの「キングダム」実写化のスタッフが製作に関わってますからね、これほどの再現力を持ち合わせているのは当然といえば当然でしょう。白石や尾形、月島、谷垣、牛山のお馴染みキャラから、鶴見中尉や土方歳三のキャラもまるで漫画から飛び出してきたかのような再現力。

　そして、何と言ってもアシリパちゃん役の山田杏奈の再現力が最高に素晴らしい！子供でありながらサバイバル能力に長け、いざというところで頼りになる存在。それでいて“おそま”ネタで見せるお馴染みの変顔がとにかく可愛らしくて最高！

　まあでもコミックス全31巻の大長編の中で、本作の物語としては序盤も序盤の部分、これからやっとスタートというところで物語は終了するので、尻切れトンボ感は否めないところ。まあとうてい1本の映画にまとめることなど不可能なことは分かっていたことですけどね。やっぱりもっと見せて欲しい！というお預け感はあります。

　本編のラストシーンには今回登場しなかったキャラがダイジェストで映っているし、確実に続編を見込んでの作りになっていることは間違いないですね。しかしながら、このペースだと3部作どころか5部作6部作とシリーズ化させる以外ないわけで、これからが勝負。ぜひとも完結まで製作してほしいところです。