「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
往年のファンもガッカリの酷い出来
★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(2012年/香港・中国/124分/十二生肖 CZ12)
【 監督・脚本・製作総指揮 】
ジャッキー・チェン
【 脚本・製作総指揮 】
スタンリー・トン
【 出演 】
ジャッキー・チェン
クォン・サンウ
ジャン・ランシン
ヤオ・シントン
リアオ・ファン
ローラ・ワイスベッカー
アラー・サフィ
オリヴァー・プラット
ケイトリン・デシェル
【あらすじ】
19世紀の清朝時代、欧州の侵攻により、国宝が国外へと持ち出されていった。その中で“十二生肖”と呼ばれる12体の像も例外ではなく、それぞれが世界へ散っていった。
21世紀の現代、それらの像は美術品オークションによって高値で取引されており、一方で国宝を国へ返す運動も活発化していた。
ディーラーのMP社は、行方不明の6体の像を探すため、レジャー・ハンターのJCを雇う。JCは仲間たちとともに窮地に陥りながらもひとつまたひとつと集めていくが、最後の“辰”の像には思いもよらない陰謀が隠されていた―
【コメント】
本ブログでも再三も再三書いてることですが、今一度改めて言わせてもらうと、誰が何と言おうとジャッキー・チェンは僕の永遠のヒーローです。
たとえ年老いて体が動かなくなろうが、出身地である香港や台湾、果ては日本にまでも政治的な発言を繰り返して総スカンを食らおうが、純情だった僕の心を鷲掴みにし心をときめかせた事実は変えられない。映画における最高のスターは僕にとってジャッキーただひとりなんです。
そんな存在のジャッキーが、“最後のアクション超大作”と銘打った、全盛期の1980年代の香りをプンプンと匂わせた、しかもあの“アジアの鷹”を三度演じるとなれば期待しないわけにはいかないでしょう!
アクションのキレに陰りが見えているとはいえ、僕はもう胸をときめかせて劇場に行ったわけです。
・・・あぁジャッキー・・・こりゃダメだ・・・
観終わってからの僕の素直な感想です。マジほんとつまらない。往年のファンもガッカリの酷い出来だよこりゃ・・・
ネットでは、やれ中韓のプロパガンダ映画だの、やれジャッキーは中共の犬に成り下がっただのと揶揄されてはいるが、それ以前に映画として出来が悪い。ストーリーもしっちゃかめっちゃかなら、笑いもスベリまくりのお寒い状態。『ミッション・インポッシブル』並みのわけ分からんアイテムなんかも登場して、唯一の見どころであるジャッキーのカンフーファイトも予想通りのキレの悪さで老いを隠すことができてない。ジャッキーvsハゲタカの一騎打ちを堪能したかったのにな~。むしろキャットファイトのほうがキレが良かったりしたから、なおさらね。
まあ、そもそものジャッキー監督映画、というか1980年代の香港映画全体に言えることだが、基本ストーリーなんてあってないようなものだったんです。本作の第1作である『サンダーアーム/龍兄虎弟』なんかも、子供ながらにストーリーのヘンテコリンさには首を傾げた記憶がありますが、それでも『サンダーアーム』を評価できるのは、ジャッキーのキレにキレまくったカンフーファイトが観れたから。クライマックスの集団アクションやアマゾネスとの戦いは今観ても手に汗握るファイトなんです。1980年代のジャッキー映画は、ストーリーの支離滅裂さを差し引いてもなおアクションという魅力に溢れていたんですね。
それが、時代とともに香港映画の作りも変化しました。アクション一辺倒ではない、ドラマチックな作品が数多く登場している中、ジャッキー自身は当時の作り方をそのまんま踏襲してしまった。『プロジェクト・イーグル』以降監督業を離れ、様々な映画監督と関わったことによるノウハウが本作では全く生かされていない。さすがに僕も当時のキレキレのアクションを求めるのは酷だと承知していますが、だったらなぜ『香港国際警察』や『プロジェクトBB』、『ベストキッド』のようにドラマで見せようとしなかったのか?すごく悔やまれるところです。
再三言ってるカンフーアクションですが、ジャッキーも歳とはいえ、僕は見せ方次第でどうにでもなるような気がするんですよね。
先に観た『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』なんかは、ジャッキーよりもはるかに老いたカンフースターがとてもパワフルにカンフーしてましたし、ジェット・リーやドニー・イエン、サモハン・キンポーなんかもまだまだキレキレですよ。
それって技の優劣じゃなくて、映画としてもっともキマるカンフーの見せ方を分かっているからのような気がします。ジャッキーも撮り方次第ではまだまだ唸らせるアクションを見せられるような気がします。
そんなわけで、ジャッキーファン歴30年の僕だからこそ、かなりボロクソに言わせてもらいましたが、個人的にはワールドワイドなジャッキーよりも、香港を舞台にした泥臭いアクションが観たいんですよね。ジャッキーの魅力は香港でこそ輝くはずなんです。
だからもう政治的な発言は控えてね、ジャッキー。
【2013年度 Myランキング】(4/13時点)
本作は、本年度のワースト3中ワースト1位にランクイン。
改心してくれジャッキー。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:愛、アムール ★★★★★
2位:燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘 ★★★★☆
3位:シュガー・ラッシュ ★★★★
4位:レ・ミゼラブル ★★★★
5位:ジャンゴ 繋がれざる者 ★★★☆
6位:アウトロー ★★★☆
7位:テッド ★★★☆
8位:デッド寿司 ★★★☆
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:ライジング・ドラゴン ★★
2位:ダイ・ハード/ラスト・デイ ★★
3位:脳男 ★★☆
<その他ランク外一覧>
96時間/リベンジLOOPER/ルーパーゼロ・ダーク・サーティキャビンプラチナデータクラウド アトラスグレイヴ・エンカウンターズ2SUSHI GIRL
『ライジング・ドラゴン』公式サイトはこちら
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