ラスト・シャンハイ　（評価：★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2013』の掲載にあたって」

あ、結局抗日なのね

★★

（2012年／中国・香港／119分／大上海 The Last Tycoon）

【　監督　】
バリー・ウォン

【　出演　】
チョウ・ユンファ
ホアン・シャオミン
サモ・ハン
フランシス・ン
ヨランダ・ユアン
ユアン・リー
モニカ・モク
シン・バイチン
ガオ・フー
倉田保昭

【あらすじ】

　20世紀初頭の上海。
　貧しい家庭に生まれ育ったチェンは、ふとしたきっかけから上海マフィアの世界に足を踏み入れることに。その日から、権力者の信頼を得て、チェンは次第に上海黒社会で頭角を現していく。
　やがて、日本と戦争が始まり、チェンを筆頭としたマフィアたちは日本軍と対峙、時代に翻弄されていく―

【コメント】

　なんかチョウ・ユンファ久しぶり。あの忌まわしき『DRAGONBALL EVOLUTION』の亀仙人以来じゃなかろうか。ちょいと前はそれこそ『アンナと王様』や『パイレーツ・オブ・カリビアンワールド・エンド』のような大作のハリウッド映画に引っ張りだこだったのに。
　僕の中ではチョウ・ユンファ＝『男たちの挽歌』の公式があるくらい、香港ノワール系のイメージが定着しているのですが、ちょいと彼の姿を見なかったと思ったら、しっかりと香港で活躍しているじゃあないですか。しかも本作、ポスターだけであの往年の香港ノワールの雄姿を彷彿とさせている。しかもあのサモ・ハン御大、倉田保昭御大とご競演されているとなれば、こりゃ観なきゃとTSUTAYAで手に取った次第。
（本作は例の“TSUTAYAだけ”マーク）

　・・・うーん、退屈。
　まあ80年代の香港ノワールの期待を抱き過ぎた部分もありますが、それにしてもこれといった見どころも黒社会で出世していくサクセス感もなく、あの『男たちの挽歌』で見せたマークばりの“漢”が観られるわけでもなく、余計な恋愛模様ばかりがピックアップされていて、ぶっちゃけ非常に退屈な映画でしたね～
　まあ、戦争の最中に黒社会でのし上がったひとりの男の、時代に翻弄された波乱の人生を描いているのはよく分かりますが、昨今の香港系の映画はどうも日中戦争やら第二次大戦やらを背景にした映画が多いように感じますね。
　本作のクライマックスにしても、上海マフィアVS日本軍というところに焦点が絞られてしまい、僕も「あ、結局これも抗日映画なのね」という感想に落ち着いてしまいました。