ブルージャスミン　（評価：★★★☆）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2014』の掲載にあたって」

プライドの高い女性は決して笑って観てられない

★★★☆

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（2013年／アメリカ／98分／Blue Jasmine）

【　脚本・監督　】
ウディ・アレン

【　出演　】
ケイト・ブランシェット
アレック・ボールドウィン
ボビー・カナヴェイル
ルイス・C・K
アンドリュー・ダイス・クレイ
サリー・ホーキンス
ピーター・サースガード
マイケル・スタールバーグ

【あらすじ】

　金持ちと結婚しセレブな生活を満喫するも、夫の浮気と詐欺による逮捕により離婚したジャスミンは、家庭も財産も失い、庶民的な生活を送る妹ジンジャーのもとに身を寄せることに。
　どうしてもセレブ生活を忘れられないジャスミンは、再び華やかな世界へ舞い戻ろうと、慣れない仕事に神経をすり減らす。そんな中、外交官のドワイトと出会い、セレブ界に返り咲こうと嘘を塗り重ねドワイトに近づくが―

【コメント】

　一昨年に鑑賞した『ミッドナイト・イン・パリ』のように、重鎮ウディ・アレン監督作品というのは男女の人間模様をユーモラスかつオシャンティに描く才能に長けています。ゆえに、僕はどうもウディ・アレンの作品は苦手です。オシャンティな映画はどうもね～僕の気質にしっくりこないというか、小奇麗な映画は肌に合いません。もっと泥臭くてダーティーで衝撃的な作品が好きなんです、僕。
　にもかかわらず、本作を観に行った経緯としては、ネット情報より「通常のウディ・アレン作品とは一味違う」という評判を目にしたこと、そして本作を公開している吉祥寺バウスシアターが6/10をもって閉館してしまうことに伴う“手向け”といったところにあります。まあ、小さな劇場ながら吉祥寺バウスシアターでもたくさん鑑賞させていただきましたからね、最期に感謝の意を込めて足を運んだ次第であります。

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　そんなわけで鑑賞した本作『ブルージャスミン』。いや、評判どおり面白かったッス。
　本作でも確かなウディ・アレン節が炸裂したオシャンティな雰囲気のある作品ではありましたが、今回はお高く泊まった鼻持ちならない女が招く悲喜劇で、「イケメンで最低でも年収ウン千万のオトコ！」と声高に婚活している女性は決して笑って観ていられない作品でしょう。このようなセレブリティで優雅に暮らしたい気持ちは万国共通というわけですね。
　というよりも、本作で登場するジャスミンとジンジャーの一見対照的な姉妹の生き方。男から見て果たしてどちらが愛着が湧くだろうか？僕はどちらもイヤです！ジャスミンの高慢ちきな生き方はもちろんですが、あたかも正反対の如く描かれていた妹ジンジャーもどうかなと。だって、その場その場の感情に流されていろんな男にフワフワとくっついては元に戻ったりと。元鞘に戻ってきてくれた男のなんと幸せそうなこと。客観的に見てこれほどまでに男はアホなんだな～と実感します。意外とそこが監督の狙いだったんじゃないかとも感じ取れたりします。
　夢がデカすぎて身動きが取れないジャスミンと、本能的にうまく男を乗り換えて生きていくジンジャー。「オンナって大別すればこの2種類なんだぜ」というウディなりの男へのメッセージなのかも知れませんな。

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