ポリス・ストーリーレジェンド　（評価：★★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2014』の掲載にあたって」

ジャッキー晩年の方向性

★★★

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（2013年／中国／110分／警察故事2013 Police Story 2013）

【　監督　】
ディン・シェン

【　出演　】
ジャッキー・チェン
リウ・イエ
ジン・ティエン
クーリー・ナザー
リュウ・ハイロン
シュウ・シャオオー
ユー・ロングァン

【あらすじ】

　ベテラン刑事のジョンは、半年も会っていない一人娘のミャオに呼ばれ、繁華街にある若者たちが集うナイトクラブ“ウーバー”にやってくる。
　久しぶりの再開もかかわらず反抗的なミャオに手を焼くジョンだったが、突如として何者かに殴り倒され拘束されてしまう。ジョンを拉致したのはクラブのオーナーであり、ミャオの恋人ウー。彼はクラブを封鎖し、ジョン親子を含む十数人の客を人質に取り、警察を相手にある囚人の解放を要求する。
　彼の目的は一体何なのか。それは、ジョンの過去に関わった事件に関係するのだった―

【コメント】

　6/12に放送したバラエティ番組「アメトーーク」で、ついに“ジャッキー・チェン芸人”が放送されましたね！僕は一体いつになったらこの括りをやってくれるのかと待ち望んでいた企画で、内容的には初心者には決してやさしいものではなかったものの、映画の一場面やサントラのくだりなど、なかなか周りには伝わらなかったマニアックなネタに終始大爆笑でしたし、こんなにもジャッキーファンがいたんだ！ということに嬉しささえ感じました。あの仲間に入って、夜通しジャッキーの話に明け暮れたい！そんな気持ちで観ていましたね。
　そんなジャッキーフリークだった小中学生の心を再燃させてしまった放送の翌日、居てもたってもいられず観に行ったのが本作『ポリス・ストーリーレジェンド』であります。
　僕の中のジャッキーベスト3に入る「ポリス・ストーリー」シリーズがついに“伝説”になるわけかと、今年で御年60歳を迎えたジャッキーに敬意を払いつつ渋谷に足を運んだ次第です。しかし、相変わらず映画館が少ないな・・・

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　いや～歳取ったなジャッキー。まあ60歳ですから当たり前ですけどね。いやもう、僕のフリークだった80年代とは打って変わった落ち着きと貫録が本作のジャッキーからはうかがい知れます。
　昨年の『ライジング・ドラゴン』でアクションは引退って言ったのに結局やるのかよ！と誰しもが思ったところだと思います。そして実際本作を鑑賞して「え～ジャッキー映画らしくな～い」と感じた人も多いことでしょう。
　しかしながら、僕は本作をこれまでのジャッキーアクション映画として捉えるべきではなく、還暦を迎えたジャッキーの晩年の方向性として捉えるべきだと思います。本作はどちらかといえばヒューマンサスペンス的な展開にアクションをスパイスとして塗した作品ですかね。僕的には、老体にムチ打って『ライジング・ドラゴン』のようなダメダメなアクション映画を作られるよりも本作のほうがよっぽど見応えがあります。唯一の対ムエタイ戦士とのタイマン勝負なんかは、これまでのスピーディーでコミカル・パワフルなアクションとは違う、リアルで痛々しいバトルでしたね。それでもかなり見応えがありますよ。
　まあ、2000年以降ドラマチックな路線に徐々に手を付けてきた成果が本作ではあらわれているのではないかと思います。僕はこんな貫禄あるジャッキー大歓迎です。

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