「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
野球的盛り上がりには欠けるが最後まで見せる
★★★
(2014年/日本/133分)
【 監督 】
石井裕也
【 出演 】
妻夫木聡
亀梨和也
勝地涼
上地雄輔
池松壮亮
高畑充希
宮崎あおい
貫地谷しほり
ユースケ・サンタマリア
本上まなみ
光石研
大杉漣
田口トモロヲ
徳井優
大鷹明良
岩松了
鶴見辰吾
石田えり
佐藤浩市
【あらすじ】
多くの日本人が夢を求めカナダに移民していた20世紀初頭。しかし、日本人への風当たりはまだ厳しく、差別や貧困に喘いでいた。そんな中でも、日系二世が中心となった野球チーム“バンクーバー朝日”が移民たちの唯一の希望であった。
連戦連敗のバンクーバー朝日だったが、力では勝てないと悟った彼らは頭を使った頭脳プレーでみるみる勝ち星を上げていき、次第にカナダ人たちからも賞賛を得ることとなる。
日本人とカナダ人が共存できる絆が芽生え始めた瞬間だったが、激動の時代はそれを許さなかった―
【コメント】
さて、ぶっちゃけ観る映画に少々困っていたこの日。
「ムリして観に行かんでもよくね?」と言われればそれまでなのだが、そこはやっぱり映画好きなので。そんなわけで、未だテレビでもしつこいくらい宣伝している本作を、時期遅しと観に行った次第です。
正直、野球というかスポーツ全般に全く興味ないもんで、果たして観て楽しめるかどうか心配だったのですが、そこは新進の石井裕也監督なだけにそれなりに見せてくれるだろうという算段もありつつ鑑賞してみました。
うん、まあ悪くなかったです。『メジャーリーグ』的な野球的展開を期待すると外しますが。
本作は実録物だし、もともと落ち着いた作品を作る石井裕也監督なので、ドラマチックな大きな展開なく淡々と平坦に映画が進みます。プレー的なワクワク感もさほどなく、むしろ差別と貧困に喘ぐ日系人たちの生活に焦点が当てられていますね。展開も意外性はなく、思ったとおりストーリーが進みます。それでも2時間強という時間飽きることなく最後まで見せる手腕はさすが。ハラハラドキドキの野球プレーやこの手の作風に慣れてない人は退屈するかもしれません。
揃った役者も豪華絢爛で、頼りないキャプテン役の妻夫木聡はさすがのハマり役だし、ニヒルでクールな亀梨和也、勝気で熱い勝地涼、素朴で耐え忍ぶ女・高畑充希など将来有望な若手が勢ぞろい。宮崎あおい、ユースケ・サンタマリア、本上まなみなんかは「必要か?」と思うくらいストーリーとは全く関係ない無駄に豪華な脇役。これも石井裕也監督の人望の表れなんですかね。
ともあれ、本作を観てどう感じるか?というところでしょうね。
いまでこそ世界にクールジャパンという称号をほしいままにしていますが、白人が世を牛耳っていた100年前は日本も差別に苦しんでおり、そんな彼らの地道な努力が今の日本へとつながっているということなんでしょうね。
改めて、先代の日本人たちに敬意を表する一本だと思います。
【2015年度 Myランキング】(1/18時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
新年早々仕事が切羽つまってる。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:
2位:
3位:
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:96時間 レクイエム ★★☆
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
シン・シティ 復讐の女神神様はバリにいるバンクーバーの朝日
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